勇気を持って踏み出す「一歩」の大切さ  健康社会学者・河合薫

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(4月7日放送)に健康社会学者で気象予報士の河合薫が出演。人生において一歩踏み出すことの大切さについて語った。

勇気を持って踏み出す「一歩」の大切さ  健康社会学者・河合薫

河合薫

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。4月4日(月)~4月8日(金)のゲストは健康社会学者で気象予報士の河合薫。4日目は、一歩踏み出すことの重要性について---

黒木)3月にプレジデント社から出版されました、『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』というご本のなかにも書かれているのですが、『チーズはどこへ消えた』という寓話のことも例に挙げて書かれています。そのタイトルから少し引用されているのですか?

河合)そうですね。『チーズはどこへ消えた』というストーリーはパラダイムシフト、つまり「変化が起きたときにどのように動くのか、動くということが大切なのだ」ということを書いている寓話だと思うのです。

黒木)パラダイムシフトを。

河合)『50歳はどこへ消えた』と『チーズはどこへ消えた』にはいくつか共通のキーワードがあります。会社のなかで消えそうだけれども、まだ消えたくない、自分たちがいままで手に入れてきていたチーズ、それは幸せの象徴だったりお金だったり、そのようなものはいつかなくなるのだということです。「過去の栄光にしがみついていても仕方がないのだから前へ行こう」ということを言いたくてそのタイトルから引用しました。

黒木)そのように環境の変化を受け入れられなかったり、受け入れたくなかったりするときでも、自分が一歩前へ出る、ネズミさんたちのように新しいチーズを求めて探しに行くという、勇気を持たなければいけない。それが幸せにもつながっていくということなのですね。

河合)人には本当に幸せになる力があります。「ただし、あなた自身が一歩踏み出さないと、その力は引き出されないのだよ」ということを伝えたいですね。

黒木)大人の方だけでなく、若い方にも読んでいただきたいなと思いました。

河合)学生さんや20代~30代の人たちをインタビューすると、SNSというといい面もあれば悪い面もあるなと思うのですが、人の行動を見て自分には無理だと思って諦めてしまったり、「無理ゲー社会」というような言葉もあります。もしくは自分の思っていることではなく、「世間の価値観に合わせた正解と思われることをしないと自分はダメな人間なのではないか」と思ってしまっている人も多いのです。

黒木)他人のことを気にする。

河合)本当は動きたいのに動けない人たちがいる。しかし、「一歩踏み出してみて欲しい」という思いは、20代~30代の若い人たちに対してもあります。人というのは不思議なもので、何もせずに留まっている人には助けてあげたくても助けてあげられないのですが、ジタバタしながら一歩踏み出した人には、手を差し出してあげられる優しさを人は持っていると思うのです。その優しさを信じて、とにかく一歩を踏み出し欲しいので、若い人たちにもぜひ読んで欲しいなと思います。

黒木)私も切にそう思います。いろいろな人に勧めたいと思います。

勇気を持って踏み出す「一歩」の大切さ  健康社会学者・河合薫

河合薫

河合薫(かわい・かおる)/ 健康社会学者・気象予報士

■小学4年から中学1年まで米国アラバマ州で過ごす。
■千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸入社。
■1994年、気象予報士第1号としてテレビ朝日系 「ニュースステーション」等多数のメディアに出演。
■2004年、東京大学大学院医学系研究科修士課程修了。2007年に博士課程を修了(Ph.D.)。
■産業ストレスやキャリア発達、健康生成論の視点から調査研究を進め、働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数はおよそ900人にものぼる。
■長岡技術科学大学非常勤講師、東京大学医学系研究科講師、早稲田大学非常勤講師等を務め、現在は健康社会学者として、執筆・講演活動、テレビ・ラジオ等でも発信を続け、「人の働き方は環境がつくる」をテーマに学術研究に関わるとともに、活動を行っている。
■2022年3月16日、『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』を発売。

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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