知床観光船沈没 事故対応としてクリアすべき「3つのポイント」

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ジャーナリストの須田慎一郎が5月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北海道・知床半島沖で起きた観光船事故について解説した。

知床観光船沈没 事故対応としてクリアすべき「3つのポイント」

【知床観光船不明】遺体安置所の斜里町B&G海洋センターで献花台に手を合わせる人の姿が見られた=2022年5月1日午前、北海道斜里町 写真提供:産経新聞社

事故が発生した原因は何なのか

北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、船長が運航会社「知床遊覧船」との通信手段として申告していた携帯電話は航路上の大半が圏外だったことが4月30日、関係者への取材で判明した。

飯田)一連の事故の経緯をご覧になっていて、いかがでしょうか?

事故の対応としてクリアにすべき「3つのポイント」 ~事故が発生した原因

須田)このような事故に対する対応として、クリアにしておかなければいけない3つのポイントがあります。

責任の所在を明確にし、再発防止策を講じる

須田)まず、なぜこのような事故が発生したのか、その実態をきちんと解明するということです。そして2つ目は、それをふまえた上で責任の所在を明確にし、責任を負わせるということです。

飯田)責任の所在を明確にする。

須田)3つ目は、その上で再発防止策を講じることです。最終段階まできちんと持っていかなければなりません。

運営会社トップに刑事責任が及ぶのかどうか

須田)いまは最初のステップに入っている段階ではないでしょうか。なぜ事故が発生したのかというところです。観光船の引き揚げ作業は絶対に必要になってくるのだろうと思いますが、それが非情に難しい。

飯田)引き揚げ作業が。

須田)そして、民事責任は当然のこととして、刑事責任についてです。責任の所在を明確にして責任を負わせるという点で、観光船の運営会社の経営トップに刑事責任が及ぶのかどうか。そういうところも考えなければ、二度三度とこのような事故が繰り返される可能性があります。再発防止をするためには、いま申し上げたところをクリアしていく必要があると思います。

外洋船として適切だったのか ~安全基準がどうなっていたのか

飯田)責任の所在について、参考になるようなメールを(リスナーの方から)いただきました。「いつも畑で農作業をしながら聴いています。知床で事故を起こした船に昔お世話になっていたのです。私の住む生口島という島から、高校のある三原まで毎日あの船に乗って通っていました。当時は『ひかり8号』という名前の船でした。その後、しまなみ海道が開通し、船の需要が減って、ひかり8号は岡山の船会社に引き取られたと聞きました。ほとんど波の立たない瀬戸内海で活躍していた船が、まさか外洋で活躍していたとはびっくりです。船には詳しくないのですけれども、瀬戸内海のような内海で運用する船と、外洋の波が高いところで運用する船は、構造上の違いなどはないのでしょうか。事故原因の究明を願うばかりです」といただきました。瀬戸内海で40年くらい前から使われていた船だったということのようです。

須田)ハードの部分で、外洋船として適切だったのかどうかということに加え、ソフト面では、船長の技量や経験値がどうだったのかという問題もあります。

飯田)そうですね。

須田)そして船を運用するにあたり、安全基準がどうなっていたのかという辺りも、いろいろと問題があったのだと思います。あらゆる角度からアプローチしていかなければならないのだろうと思います。

なぜ浸水に至ったのか ~船舶の引き揚げ作業が必要

飯田)そうですよね。無線が壊れていたなど、いろいろな側面が出てきます。

須田)そもそも、なぜ今回、浸水に至ったのかというところ自体がわかっていないではないですか。その辺りを重点的に捜査して行くのだろうと思います。発生したあとの対応ではなく、なぜそれが発生してしまったのかというところです。

飯田)座礁なのか、もともと船に問題があったのかという辺りもわからないですものね。

須田)その他、船の適性の問題など、いろいろと解明すべき問題は多いのだろうと思います。そのためにも、とにかく船舶の引き揚げ作業が必要になるのだろうと思います。

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