尖閣諸島~取られるとどうなるの?
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9/14(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
国有化してから5年~いまも続く領土問題
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
中国は5年かけて領海侵入を常態化させた
2012年に尖閣諸島が国有化されてから、早くも5年が経ちました。形式上は日本の領土となった尖閣諸島ですが、今もなお、中国とは領土を巡っての領海侵入などが問題になっています。忘れがちですが、非常に重要なこの問題について、産経新聞論説委員の山本秀也さんが解説します。
高嶋)、尖閣諸島を国有化して、5年になります。伝わってくる尖閣の周辺というのは、中国の船で溢れているようですね。
山本)中国船が5年間で領海に入ってきたのが、199日。領海の外側にある「接続水域」に入ってきた日は1.100日を超えています。しかも、最低で月2回。それを常態化させることが中国の5年間の目的だったわけです。
厄介な相手にどう立ち向かうか
高嶋)日本はどうですか? よく、漁民の方の話など出ますが。
山本)あそこは、漁場としては大変良い場所のようですけが、一方で、日本と台湾の間の漁業協定というものを2013年に結びました。これは外交的には、領土問題に台湾があまり深く関わると、関係先がさらに増えて面倒くさくなってしまうので、「とにかく台湾の部分をきれいにしよう」ということですね。
高嶋)中国が既成事実化して、そして日本も正当な主張をしているのですが、現実的には、「尖閣は中国のもの」と認識させようという力がとても強い。
山本)そうさせないために、海上保安庁の人は日々頑張っているし、その後ろには、当然海上自衛隊がいるわけです。
高嶋)もし尖閣を持って行かれてしまうと、日本のいちばんの「損」というのは、どこになるのですか?
山本)損というか、「領土・領海がもぎ取られる」ということになるので、こんなことがあってはいけないわけです。国家の存立の問題ですね。その局面では、戦争も起きてしまいますから「そこにいかないためにどう知恵を絞るのか?」ということになります。
高嶋)日本はどうしているのですか?
山本)もちろん警備はしっかりやっているし、外交主張もしっかりやっているのですが、何せ相手が相手ですからね。そこが悩ましいところです。しかも、中国はどんどん戦力増強中ですから、日本も当然手を打たなければいけない。新型の巡視船とかを建造しているわけですが、それに乗る要員の養成とかも考えると、かなりしんどい話になっていきます。
高嶋)多勢に無勢、という感じですよね。
山本)もちろん、最終的には「日米安全保障」があるとはいえ、向こうは大きいですからね。
これからも努力を続けなければ、ますます日本は不利になる
高嶋)あの頃(2012年)に寄付金がだいぶ集まりましたよね?
山本)およそ14億7千万円です。ただ、これは「東京都が受けた」ということになっていますが、その後に「東京都条例」ができて、「国が方針を決めたら、その方針にお金を出す」という内容だったと思います。
高嶋)使い道は、もう決まっているのですか?
山本)「国がどう使うかを決めないと、そのお金は出せない」となっています。
高嶋)少なくともあの頃は、最初に話に出てきた、「日本固有の領土で、中国のものではない」ということで、日本人全体も盛り上がった。それで、合計でおよそ15億円寄付した。
それで、何となく5年経過して、話を聞いていると、日本も頑張っているのですか、事実上は中国に翻弄されている印象です。
山本)とにかく、相手が我々の考え方を超えた対応をしてきますからね。これは、日本も外交の頭もしっかりと対応しないと。15億円を寄贈した人の思いというのもありますからね。
高嶋)新型の巡視船を投入するくらいですか?
山本)「何か新しい新機軸が出せないか?」というのは、みんなが思っていることでしょう。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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