政策アナリストの石川和男が4月28日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。給料から差し引かれる税金や社会保険料の割合を示す「国民負担率」について、諸外国との比較をもとに議論した。
今年2月、財務省が公表した見込みによると、2023年度の個人や企業などの所得に占める税金と社会保険料の負担割合を示す「国民負担率」は46.1%となり、この50年で約1.8倍に膨らんでいる。これは、働いて得た利益の半分近くが手元に残らないことを意味している。さらに、差し引かれた税金や社会保険料で賄いきれない分を補ってきた赤字国債の発行分を加えた「潜在的な国民負担率」は54.6%に達する。
今回、番組では諸外国の「国民負担率」と比較。アメリカが33.9%(2021年)と低い一方、スウェーデンは55.0%(同年)、フランスは68.0%(同年)などとなった。
これらのデータについてゲスト出演した岩手保健医療大学理事で経済評論家の濵田敏彰氏は「フランスと日本がすごく似ている点が、潜在的国民負担率。赤字国債分を入れたらどうなるかという数字がフランスは77.4%(2021年)。日本も国民負担率は48.1%(同年)だが潜在的国民負担率は57.3%(同年)まで上がってしまう。結構、赤字国債で足りない分を埋めてしまっている。国民にいい顔する政策を打っている。それに対して、スウェーデンは国民負担率も潜在的国民負担率も55.0%(同年)。つまり借金をしていないということ。さらに国民負担率のうち、社会保険料が占める割合はわずか5%で残る50%は税金」だと解説した。
これに対して石川は「社会保険料は社会保険税という名前に変えて、税にすべき。社会保険料は国会審議を経ずに勝手に上がっていくもの。税にすることで毎年改正議論が行われ、与党や国会で毎回話題にせざるを得ない状況になれば、国民の重税感が高まる」と指摘。結果として抑制が働くと持論を述べた。
番組情報
政策アナリストの石川和男が、暮らしに欠かせないエネルギー問題の様々な“見方”を提起。
日ごろ、テレビや新聞などで報じられることが少ない専門家ならではの視点やデータを駆使して、歪んだ情報を正し、あなたのリテラシー向上をお手伝いします。
※2024年4月6日(土)までは『石川和男のエネルギーリテラシー』