工藤公康が語る「これからのプロ野球に必要なこと」
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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(6月10日放送)に元・福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康が出演。これからのプロ野球について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。6月6日(月)~6月10日(金)のゲストは元・福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康。5日目は、プロ野球の今後について---
黒木)野菜づくりも愛情を込めないといけませんよね。どの時期に種を蒔くか、どの時期に何をするかということが決まっているわけですよね?
工藤)そうですね。
黒木)監督時代も同じように、愛情をかけて選手の方々を育てていらしたということですよね?
工藤)自分では愛情を持っていると思いながらやっていました。実際に野菜をつくっていると、「人と接するのと同じだな」と思います。愛情を持って手間暇をかけないと、いいものはできないのだなと感じています。
黒木)人生のすべてが野球につながっていますね。
工藤)野球は農業とまったく違うものですが、1つひとつ丁寧に準備をすることは変わらないと思います。
黒木)これからのプロ野球をどのように見ていらっしゃいますか?
工藤)野球をやる子供たちが少なくなっていますので、野球界としては、そこから取り組む必要があると思います。また、障害を持っていてできない子供たちもいるので、そういう子たちに、どうすれば楽しく野球ができるかということを教えていくことも大事だと思います。
黒木)以前、撮影の関係で2軍の練習場に行きましたが、すごく立派なところですね。
工藤)筑後の方ですかね。
黒木)「ここが2軍の?」と思いました。すごいですね。
工藤)そうなのですよ。グランドが人工芝と土のグランドの2面あって、天然芝のグランドもありますし。
黒木)新幹線の駅を降りると、そこには球場しかないのですよね。球場のための駅のような。
工藤)歩いてすぐですね。
黒木)環境もいいし、選手の皆さんも練習し甲斐がありますよね。
工藤)そうですね。
黒木)女子の育成も考えていらっしゃるのですか?
工藤)女子チームを持っている球団が少しずつ増えています。ソフトバンクさんとしても、この先、女子チームを抱えることを考えているのではないでしょうか。
黒木)選手1人ひとりがケガをせずに長く野球を続けて欲しいですよね。
工藤)それがいちばんです。選手にとって、野球をできないことがいちばん辛いことです。野球をするなかで競争しながら、レギュラー争いをすることはいいのですが、ケガをしてしまうと、治るまで辛い日々を送らないといけませんので。
黒木)監督時代、必ず最後に球場にお辞儀をして出て行かれていました。野球の神様やグランドに感謝するという気持ちを伺うと清らかな気持ちになります。
工藤)選手にグランドでやってもらわなくてはいけないので、まずは選手がケガをしないように。またケガをしてしまっても、それ以上酷くならないように、野球の神様に祈っています。終わったあとは「選手たちがきょうもプレーができました。ありがとうございました」と伝えています。
黒木)それを毎回欠かさずやっていらしたのですね。本当に素晴らしいです。
工藤公康(くどう・きみやす)/元・福岡ソフトバンクホークス監督
■1963年生まれ。愛知県名古屋市出身。
■名古屋電機高(現・愛工大名電)から西武ライオンズに入団。
1981年の夏の甲子園では、ノーヒットノーランを達成している。
■プロ野球選手時代は14度のリーグ優勝、11度の日本一を経験。
西武ライオンズ・福岡ダイエーホークス・読売ジャイアンツの3球団で日本シリーズを制覇し、優勝請負人と呼ばれた。
■29年の現役生活で通算224勝142敗3セーブ。防御率3.45。
MVP、最優秀防御率、最多奪三振など、数多くのタイトルを獲得した。
■現役引退後は、野球解説者・野球評論家として活動。
■2015年から2021年まではソフトバンクの監督を務め、3度のリーグ優勝、5度の日本一。日本一は2017年から4年連続で、パ・リーグ史上初の快挙。
監督通算成績は558勝378敗42分け。勝率5割9分6厘。
■長男は工藤阿須加(俳優)、長女は工藤遥加(プロゴルファー)。
■ソフトバンクの監督就任前に筑波大大学院に合格。人間総合科学研究科で外科系スポーツ医学を学ぶため2014年から通い始め、在任中に球団の許可を得た上で復学し、得られたデータを球団にも還元するなどして修了し、修士を取得。
■今年2月には筑波大大学院博士課程に合格。この春から博士課程に進んでいる。
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番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳