キャスターの辛坊治郎が6月29日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。収賄罪などで服役している韓国の李明博(イ・ミョンバク)元大統領が一時釈放される見通しになったことについて言及した。
韓国の聯合ニュースによると、韓国検察当局は28日、懲役17年の実刑判決を受け服役中の李明博元大統領(80)について、健康状態を考慮して刑の執行を一時停止し3カ月間釈放することを決めた。
辛坊)えっ、李明博元大統領って、まだ服役中だったんですね。私、素朴に驚きました。李元大統領の1代後が朴槿恵(パク・クネ)元大統領ですが、実は朴元大統領のほうが逮捕の時期は早いんです。その朴元大統領は懲役22年というとんでもなく長い刑期が確定したんですが、昨年12月に恩赦が与えられました。ですから、朴元大統領の1代前の李元大統領は、とうの昔に恩赦が与えられていたのかなあと思っていました。でも、実はずっと収監されていたんですね。
それにしても驚かされるのは、韓国の大統領は退任後、ことごとく獄につながれたり、自殺においこまれたりしているということです。李元大統領の1代前の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は検察の捜査を受け自殺しています。その3代前の盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は懲役17年、さらにその1代前の全斗煥(チョン・ドファン)元大統領は無期懲役です。だから、ついこの前、任期を終えた文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は政権末期、そうした捜査をする権限自体を検察から剥奪するという無茶なことをしました。「俺は絶対に逮捕されないぞ」っていう状況をつくったんですね。
李元大統領は今、服役中の囚人として病院にいて、脱走しないように病室の前には刑務官のような人がずっと立っている状況なんだと思います。一時釈放によって、この状況がどうなるかというと、病室の外に立っている人の肩書が変わるだけだと思うので、基本的な待遇は変わらないんじゃないでしょうか。
李元大統領は保守派であり、現在の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も保守派です。このため、李元大統領に対しては一時釈放という今回の処置の後に恩赦が与えられるのではないかという見方が広がっています。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)