国会議員は旧統一教会からどれだけ支援を— 立民「旧統一教会被害対策本部」はどこまでメスを入れられるか

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地政学・戦略学者の奥山真司が7月26日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。旧統一教会の霊感商法の実態などを調べる立憲民主党の「被害対策本部」の初会合について、この会合を取材したニッポン放送・小永井一歩アナウンサーを交えて解説した。

国会議員は旧統一教会からどれだけ支援を— 立民「旧統一教会被害対策本部」はどこまでメスを入れられるか

【統一教会の安倍元首相銃撃事件報道に関する会見】会見する世界平和統一家庭連合の田中富広会長=2022年7月11日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

旧統一教会を巡り、立憲民主党が「被害対策本部」を設置

安倍元総理大臣の暗殺事件で改めて注目が集まっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、立憲民主党は7月25日、霊感商法の実態などを調べる「被害対策本部」の初会合を国会内で開いた。

国会内で立憲民主党による「旧統一教会被害対策本部」設置

新行)旧統一教会が注目を集めていたのは1990年代前半ということです。私は1992年生まれなのですが、当時のことを教えていただけますか?

奥山)92年くらいに元アイドル歌手の桜田淳子さんが、当時の統一教会の合同結婚式に参加するということで、ワイドショーなどで注目を集めていたことを覚えています。私は高校を卒業したくらいのタイミングでした。

小永井)そのワイドショーのキャスターを務めていたのが、昨日(25日)、立憲民主党の対策本部に出席していた蓮舫さんだったということで、そのくらい前のことです。

奥山)そうなのですね。

小永井)昨日の午前中、国会内で立憲民主党による「旧統一教会被害対策本部」が立ち上げられました。第1回の会合には国会議員20人以上が出席し、およそ2時間、報道陣にも完全公開で行われました。対策本部の目的は、旧統一教会による被害等を調査・検証し、対策を立案するというものです。以下は会議冒頭の立憲民主党・西村智奈美幹事長の発言です。

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立憲民主党・西村幹事長)旧統一教会が本当に多くの被害を出してきたこと、ここが行ってきた霊感商法は本当に多くの被害を生み出してきた。政治として、そして国会として看過できない問題であると。今後明らかになってくるさまざまな問題についても、対応していかなければいけないと考えています。

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政治と宗教の問題にどこまでメスを入れることができるのか

小永井)改めて、旧統一教会が注目された経緯を説明します。安倍晋三元総理銃撃事件を起こした山上徹也容疑者の母が信者で、多額の献金を行っていました。山上容疑者の供述では「多額の献金が原因で生活が困窮し、家庭崩壊状態になり、旧統一教会に恨みを持った」としています。関連団体が主催するイベントにビデオメッセージを寄せていた安倍元総理に殺意を抱き、事件を起こす動機となったということです。過去にも高額の献金や、霊感があるかのように振る舞って高額な商品を購入させる、いわゆる「霊感商法」など、社会問題にもなった旧統一教会に再び注目が集まっているという状態です。

新行)再び注目が。

小永井)この会議の講師を務めたのは、昨日まで立憲民主党・参議院議員だったジャーナリストの有田芳生さんです。有田さんは今月(7月)行われた参議院議員選挙で落選し、昨日が任期最終日でした。

新行)任期最終日。

小永井)有田さんは旧統一教会を40年前から取材していて、昨日は旧統一教会の成り立ちや政治との関係性を深めていった経緯などを、自身の取材経験を交えて講義しました。有田さんは、旧統一教会など宗教団体をめぐる課題について、次のように指摘しました。

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ジャーナリスト・有田芳生氏)全体像を歴史的に見ていかなければ、統一教会の問題は見えないのではないかと思っています。都道府県の認証でいいのか、もっと文科省などが率先して統括的に行うべきではないのか。そして、政治と宗教の問題にどこまでメスを入れることができるのか。

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小永井)宗教法人の認可の多くは都道府県が行っていますが、霊感商法のような悪質な商法が横行した際に、国として関与を強めていくことの必要性や、政治と宗教の関係性。これは憲法の政教分離というところもありますが、どこまでメスを入れていくかについて指摘がありました。

国会議員が旧統一教会からどれだけ支援を受けてきたかチームをつくって検証

小永井)また有田さんは、山上容疑者の家庭崩壊のような、信者の家族をめぐる問題に関する対応の必要性についても言及していました。この講義のあと、国会議員からの質疑応答が行われ、例えば「外国ではどのような法律で悪質な宗教法人を取り締まっているのか」など、次々と質問が飛んでいました。会議の最後、西村幹事長は旧統一教会の被害について「今後、野党間で合同ヒアリングなどの実施を検討すること」、そして「立憲民主党の所属議員と旧統一教会との関わりを調査する意向」を示しました。

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立憲民主党・西村幹事長)他党との合同ヒアリングなりということですけれど、私は、可能性は模索していきたいと思っています。我が党の議員の関わりがあったかどうかということについて、関わりがあったということについては、自らご説明なりをしていただけるような、党としての調査をやっていきたいと。

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小永井)立憲民主党は今後、霊感商法などの被害に遭った方を救済するための法案づくりや、消費者庁に被害をまとめてもらう。あとは国会議員が旧統一教会からどれだけ支援を受けてきたか、チームをつくって検証するといった具体策を進めていくということです。秋の国会論戦でも議論になってくるかも知れません。

政治への宗教団体の影響力は過小評価も過大評価もしてはいけない

新行)「旧統一教会被害対策本部」について、どう思われますか?

奥山)信仰の自由がありますので、その建前のなかで「どこまで実態に切り込めるのか」というところです。それに関して、何か質疑応答はありましたか?

小永井)「どれだけ宗教団体の政治への影響力があるのか」という質問があったのですが、有田さんは「過小評価も過大評価もしてはいけないのだ」と。「宗教団体からの支援があるからといって大臣になれるわけではないので、その辺りの正しい理解が必要だ」という話がありました。

奥山)むしろ有田さんは、まさに旧統一教会への取材で有名になったからこそ議員になれたという経緯があるので、原因と結果が逆になっているようなイメージが我々のなかではあります。彼はその辺りを鋭く突っ込んでいるのかなと思いました。

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