ジャーナリストの須田慎一郎が8月1日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。韓国政府が最高裁に意見書を提出した徴用工訴訟問題について解説した。
いわゆる徴用工問題、韓国外務省が政府の取り組みを説明する意見書を最高裁に提出
いわゆる元徴用工訴訟について韓国外務省は、日本企業の資産売却に向けて手続きを進めている韓国大法院(最高裁判所)に対し、解決に向けた政府の取り組みを説明する意見書を提出したことがわかった。司法判断を先延ばしにする狙いがあるとみられる。
新行)韓国の尹錫悦政権は、裁判所の売却命令が確定すれば日韓関係が一段と悪化することを懸念しており、司法判断の先延ばしを期待して提出に踏み切ったとみられます。意見書について、韓国外務省の当局者によると、「日韓の共通利益に合致する合理的な解決策」を探るために外交協議を続けている他、「多角的な努力をしている」という立場を説明する内容だということです。
問題解決には日本の協力が必要だとする韓国政府 ~それが適切かどうかは別の問題としてリスクを負うことに
須田)韓国の最高裁の判断としては、資産売却に向けて手続きが始まるという判断を下しそうだということを受けて、「ちょっと待ってください」と。「その問題について手続きを進めるような命令が出てしまうと、日韓関係が相当悪化して外交上の問題になりますから。それについては問題解決を図っていきますので、その判断は下さないでください」という意見書を提出したということです。
新行)意見書を。
須田)その辺りを考えていくと、韓国国内の三権分立という点で、これに抵触するのではないかという問題も孕むのです。どこまでできるのか。裁判所の判断に関して行政が関与することが適切なのか、適切ではないのか。
新行)三権分立という点で。
須田)韓国国内の三権分立の問題がまずあります。そこに対して韓国外務省と韓国政府が言っているのは、「意見書を出すにあたって日韓間でこれだけ協力関係にあり、問題解決を図っているというところをつくらなくてはいけないから、日本も協力してください」ということです。しかし、それに日本が協力することが適切なのかどうかの判断が問われるのではないでしょうか。
新行)日本がそれに協力することが。
須田)そこに対して日本からゼロ回答だと、韓国政府だけで決着するのは無理だから、結果的に売却命令が出てきてしまう。私が思うのは、あくまでも韓国の国内問題ではないですか。そこに日本が巻き込まれるというのは、また別の問題として大きなリスクを負うことになると思うのです。
新行)韓国の朴振外相が、解決には日本側の誠意が必要だと発言したのは、そういった部分もあるということですか?
須田)そうですね。「日韓間で誠意を持って解決するのだから、裁判所は本来下すべき判断を下さないでください」ということです。しかし、これはこれでおかしいのではないかと私は思います。
一方では韓国軍が竹島の防衛を想定した定例訓練を行い、韓国の調査船の領海侵入も
新行)7月29日には、韓国軍が島根県の竹島の防衛を想定した定例訓練を行っています。また、韓国の調査船3隻が竹島周辺で領海侵入したというニュースも入ってきています。
須田)防衛訓練については、いまの政権で規模が縮小されたというメッセージは送ってきています。ただ、ゼロになったわけではない。そして領海侵入もしているということで、こういう問題もどう決着をつけていくのか。場合によっては、先ほどの意見書に関するカードとして使っているのかなという、変な憶測も呼んでしまいますからね。
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