キャスターの辛坊治郎が9月27日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。イタリア総選挙で第1党になることが確実になった「イタリアの同胞」のメローニ党首について、「極右のレッテルを貼るべき人物なのかどうか」と疑問を投げかけた。
イタリア総選挙で第1党になることが確実になった「イタリアの同胞」のメローニ党首は26日の会見で、「この選挙で我々が主導する政権の樹立が明確に指示された」と勝利を宣言した。イタリア総選挙では右派政党を中心とする勢力が上下両院で過半数の議席を獲得し、欧州連合(EU)に批判的な右派政権が誕生する可能性が高まり、EU結束への悪影響が懸念されている。
辛坊)メローニ党首はイタリア初の女性首相に就任することが有力視されています。ただ、よく分からないことがあるんですよ。メローニ党首は「極右」と言われていますが、本当にそうなのか……。独裁者ムソリーニの信奉者だったことから、極右と見られているわけです。第2次大戦の戦勝国の理屈なのですが、ムソリーニは悪名高きファシストということになっています。確かに、ファシストという言葉はムソリーニが結成したファシスト党に由来していますからね。
ファシストといえば、イタリアのムソリーニ、ドイツのヒトラー、日本の東条英機といった名前が挙がります。こうした人物は、少なくとも今の全世界的な物の見方でいうと、民主主義、自由主義の国ではで決して認められる存在ではありません。ムソリーニは、その筆頭のような人物です。
メローニ党首は15歳の時、旧ファシスト党の残党がつくった極右「イタリア社会運動」に参加し、ムソリーニをたたえる発言をしています。しかし、若い頃のことですよ。いまだにムソリーニの信奉者のような言われ方をするのは、どうなんでしょうかね。最近の言動では、むしろ党内で極右的な言動を厳しく取り締まるような方向性にあります。もちろん、本心は分かりませんが…。
メローニ党首の言動をめぐっては、性的少数者(LGBT)に対しては、かなりネガティブです。また、家族観も保守的です。ただ、イタリアは伝統的にカトリックの国であり、例えば妊娠中絶に対してはもともと非常に慎重というか否定的です。ですから、保守派であるメローニ党首は当然、そちら側の人物といえます。とはいっても、極右というレッテルを貼るべき人物なのかどうなのかについては、いささか疑問が残ります。もう少し客観的に見たほうがいいような気がしています。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)