臨時国会、野党は旧統一教会問題・国葬儀問題で政府・与党を追及か

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ジャーナリストの須田慎一郎が10月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。10月3日召集の臨時国会について解説した。

臨時国会、野党は旧統一教会問題・国葬儀問題で政府・与党を追及か

2022年9月29日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202209/29bura.html)

臨時国会召集 ~野党は旧統一教会問題、国葬儀問題で政府・与党を追及か

第2次岸田改造内閣の発足後、初の本格論戦となる臨時国会が10月3日に召集。物価高対策を含む第2次補正予算案などが主な論点で、野党側は国葬儀を実施した岸田総理の判断や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党との関係についても追及する方針。

飯田)臨時国会が、きょう(3日)召集されます。8月に内閣改造が行われてから初めての本格論戦ですが、どのような展開になりそうですか?

須田)野党第1党の立憲民主党が、先の参議院選挙を境に、それまでの「提案型」「対案型」から「対決型」へ大きく舵をきったのです。そのなかで、旧統一教会や国葬儀の問題という攻撃材料を手にしたと受け止めて、政府・与党を激しく追及するというような国会展開になるでしょうね。

「補正予算がどの程度の規模になるのか」が年末から年明けの日本の経済に影響を与える ~臨時国会の目玉は「補正予算案」

飯田)足元の経済の話など、さまざまあるなかで、そこにフォーカスしていくことがいいのか悪いのかは、野党のなかでも判断が難しいのでしょうか?

須田)多くのメディアは、そちらの方へフォーカスしていくのでしょうけれども、私は、この臨時国会における最大の目玉は補正予算案だと思います。

飯田)補正予算案。

須田)前年度、前々年度と、年度の当初予算以外にトータルで100兆円を超える補正予算を組んで、何とか景気の底荒れを防いだ。しかし、今年度はまだ約2兆7000億円しか補正予算が計上されていない。圧倒的に足りないわけです。

飯田)2兆7000億円では。

須田)政府も与党も参議院選挙前から、「大型の補正予算を」という方向性を示していました。「補正予算がどの程度の規模になるのか」が、年末から年明けにかけて、日本の経済・景気に大きく影響を与えるのです。冒頭から補正予算案の審議が進んでいくでしょうが、そちらの方はあまり注目されないのではないでしょうか。本当に重要なことは注目されず、どうでもいいようなことが大きく注目されるという展開になっていくのではないかと思います。

問題の本質は「旧統一教会であることを隠して接近し利用する」こと ~旧統一教会であることを知らずに接触していた議員が辻元氏をはじめ多い

飯田)旧統一教会の話について、細田博之衆議院議長や山際大志郎経済再生担当大臣らとの関係に焦点が当てられていますが、先日のニュースでは野党系議員の方々の名前も出ていました。

須田)注目されたのが辻元清美さんです。ここが旧統一教会問題の本質というか、大きなポイントになるのではないかと思います。辻元さんが旧統一教会関連団体の集会に出ていて、会費を払ったということが問題なのではなく、旧統一教会問題の本質はそこにあるのではないかということです。

飯田)旧統一教会問題の本質が。

須田)さまざまな団体が山ほどあるわけですが、自分たちが旧統一教会であるということを隠して接近していき、関わっているのか、関わっていないのか、あるいは接点があるのかないのかということが強く認識されないまま関わってしまう。

飯田)わからないまま集会に出るなど。

須田)それが事実として、旧統一教会が布教活動等に利用している。旧統一教会がある種の権威づけをして、布教や献金集めに利用しているということが本質ではないかと思うのです。

飯田)そこが問題の本質である。

須田)「誰がどう関わったのか」という話ではないのです。確かに自民党のなかには、相手が旧統一教会であることを認識して接点を持っていた人もいますが、多くの人から話を聞いてみると、「えっ、旧統一教会だったの?」と。自民党内で調査が行われたときに、「過去に関わりがあるかどうかを全部チェックしろ」というリストがまわってきたそうです。すると「ここもそうだったの?」と。

飯田)団体名が全部リストに載っているわけですね。

須田)そのような状況がある。それを十把一絡げに「ズブズブ」と言うのは、本質をついていないと思います。「辻元さんもそうだったではないか」と。それがあの団体の本質なのだということを踏まえて議論を深めなければ、何の意味もないことになってしまうと思います。

布教活動や献金集めに利用されないための対策を考えるべき

飯田)さまざまな団体との付き合いのなかで、どう線引きするかという問題もありますし、信教の自由など、もし法律をつくるとなると、どう整合していくのかという話ですよね。本当はその辺りを細かく詰めないと、信教の自由など、放置してしまえば人権に対してよくないことになりかねません。

須田)その点について言いますと、先ほども申し上げたように、ある種の権威づけをしていくわけです。自民党のとある議員の方、あるいは自民党、あるいは元総理と「これだけ我々は深い関係にあるのですよ」と。最近、「匂わせ」と言う言葉を使うのですが。

飯田)匂わせ。

須田)布教活動や献金集めに利用されないためには、どうしたらいいかを考えていかなくてはなりません。「その宗教を信じるな」という話ではないのです。

旧統一教会が2015年になぜ団体名の変更が認められたのか ~検証する必要がある

須田)そして、次にやらなくてはならないことは何かというと、1980年代半ばくらいから、それぞれの信者による違法行為があった。であれば現行の法律で取り締まったり、摘発していけばいい。しかし、それが1990年代に入っていくと、できなくなっていくわけです。ほとんど立件されないという。

飯田)90年代になって。

須田)そこに何があったのだろうかと。2015年に団体名の変更が申請され、認められたのですが、その辺りをきちんと検証していく必要があると思います。

飯田)かつて霊感商法が大きな問題になりました。その後、消費者保護の観点からある程度は対応できるようになってきていますが、そのような対症療法的なことも必要ですよね。

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