旧統一教会被害者救済の法整備 実現が難しい「2つの側面」
公開: 更新:
ジャーナリストの須田慎一郎が11月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。旧統一教会をめぐる被害者救済の法整備について解説した。
旧統一教会をめぐる被害者救済の法整備 ~立憲民主党が与野党党首会談を要求
立憲民主党の岡田克也幹事長は11月6日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる被害者救済の法案を今国会で成立させるため、与野党党首会談を週内に開くことを与党側に要求した。自民党の若宮健嗣幹事長代理は「私の立場でコメントするのは困難」と即答を避けた。
飯田)11月6日に放送されたNHKの日曜討論でのやり取りとして、生放送で呼び掛けたということです。
須田)野党サイドというか、立憲民主党や日本維新の会は、今国会中に被害者救済新法を成立させて1つの実績をつくりたい意向もあったのだと思います。
新法実現が難しい2つの側面 ~マインドコントロール下とはどういう状況なのか
須田)難しい問題が、大きく分けて2つの側面であります。1つは、マインドコントロール下というのはいったいどういう状況なのか。それを客観的に線引きするのは相当難しい作業だということです。
飯田)マインドコントロール下の状況を。
須田)新法をつくるのはいいけれども、運用できない状況になってしまったら何の意味もないので、その辺りを煮詰めていかなくてはならない。
強い警戒感を持つ公明党 ~信教の自由との整合性を保てるのか
須田)もう1つの大きな理由は、やはり公明党サイドが相当強い警戒感を持っているのだろうということです。言うまでもなく、公明党の最大の支援団体である、創価学会という宗教団体のこともあります。
飯田)創価学会。
須田)例えば高額寄付で言うと、上限設定や年収に対する比率などで制限していくのでしょうけれども、具体的にきちんと線引きできるのかどうか。それを超えた場合は、一律で違法行為になってしまうのかどうか、というところです。強引に当てはめようとすると、「信教の自由」との整合性を保てるのかどうかという問題もあります。
飯田)信教の自由との整合性。
須田)そういうところを考えていくと、相当、慎重になっているのは間違いありません。これまでも文化庁宗務課が宗教問題を扱ってきたわけですが、それに対しても公明党は相当に慎重なスタンスを取ってきましたからね。
今国会での被害者救済の法整備は時間不足
飯田)これを一律で適用するのか、あるいは旧統一教会の悪質性を鑑みて、ここだけに適用するのかという辺りも含め、まだ議論しなければいけないところがたくさんあります。
須田)はっきり言って時間不足ですよ。
飯田)今国会は12月初頭までということになっています。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。