「3期目おめでとう」となるのならば、岸田総理は習近平氏には会わないほうがいい

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青山学院大学客員教授でジャーナリストの峯村健司が11月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。11月11日から予定されている岸田総理の東南アジア3ヵ国歴訪について解説した。

「3期目おめでとう」となるのならば、岸田総理は習近平氏には会わないほうがいい

中国の習近平国家主席(ウズベキスタン・サマルカンド)=2022年9月16日 AFP=時事 写真提供:時事通信

岸田総理、11月11日から東南アジア歴訪 ~韓国、中国首脳と会談か

岸田総理大臣は11月11日から東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議や20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)など、一連の国際会議に出席するため、東南アジア3ヵ国を歴訪する。これに合わせ、関係改善を探る韓国の尹錫悦大統領と初の正式会談を検討。また一部報道では、中国の習近平国家主席と初の対面での対話を調整しているとのことだ。

飯田)まず総理は、11月10日~13日に予定されているカンボジアでのASEAN首脳会議に出席。そこからインドネシアに移ってG20サミットに出席。18日からはタイで行われるAPEC首脳会議にも参加するそうです。

韓国の尹大統領との会談 ~北朝鮮の脅威に日米韓でどう対応するか

峯村)岸田政権の本格的な外交ウィークであり、本領を発揮してもらいたいと思います。まず気になるのは、韓国の尹大統領との会談がどうなるかということです。アメリカのバイデン大統領も入りますが、昨今の北朝鮮のミサイル連射は、前例のない多さです。私も長らく朝鮮半島を見ていますが、こんな事態は極めて異常です。

飯田)そうですよね。

峯村)日米韓として、「これにどう対応するのか」というところを話すのが最優先でしょう。先日、麻生副総裁が韓国へ行きました。あの動きに関して、「具体的かつ実りのあるものがあった」という話を複数の政府当局者から聞いています。アメリカ政府の幹部も、評価が高かったのです。

飯田)そうですか。

峯村)前政権よりは対日関係を重視している尹政権の支持率が下がっているなかで、訪韓した意義はあるでしょう。

飯田)いわゆる徴用工問題の裁判では、資産の差し押さえまでしましたが、ここから先は売却するのか、どう落とし前をつけるのか。

峯村)そこは相当強く言っているはずですし、徴用工問題の解決なくして日韓関係も何もありません。いまの現実を考えて「北朝鮮の脅威とどちらが大事なのか」という話です。そこは尹政権が現実的な対応をするべきです。

「3期目おめでとう」と言うのならば、習近平氏には会わない方がいい

飯田)インド太平洋地域を考えると、当然、どう中国と向き合うかという話になります。

峯村)(日中首脳会談となると)2019年12月以来で、コロナ禍の前です。、久しぶりに両国首脳が対面で会う意義はあるだろうと思います。ただ、3期目になる習近平氏に対して、「何をどう言うのか」が重要です。。会って「3期目おめでとう」と言うだけならば、会わない方がいいと思います。

8月に中国が日本の排他的経済水域にミサイルを撃ち込んだことをもう1度、強く対応するべき ~対応しなければ「EEZが存在しない」ことを認めることになる

峯村)中でも言わなければならないのは、台湾問題です。「台湾への圧力に反対する」と明確に指摘すべきです。そのうえで、「うちのレッドラインはこうなのだ」とも明言したほうがいい。いまからでも遅くないので、8月にあった日本の排他的経済水域にミサイルを撃ち込んだことに対し、もう1回「ふざけるな」と抗議するべきです。それを言わないなら、会う意味がないと思います。

飯田)官邸筋も「EEZですからね。領土、領海ではないのですよ」ということで鎮静化させるような……。

峯村)政府の人に聞いても、誰1人として説得力のある説明がありません。例えば「日本には航行の自由があるから、そこはEEZがどうのこうの」ということを言う人もいますが、それは関係ありません。そもそも、東シナ海のEEZは中国が認めていません。中国からすれば、「日本政府が強く反発しなかった」ということは、「EEZは存在しないことを黙認した」という話になりかねません。

飯田)日本側もEEZがあるとは思っていないのだろうと。

すぐに対応しなかったことは、稀に見る外交的な失敗

峯村)日本のEEZだからいいのではなく、中国が否定している海域だからこそ、オーバーになってもリアクションしなければいけないのです。そういう外交的なセンスもない。近年稀に見る外交的な失敗だと思います。

飯田)あのタイミングで国家安全保障会議、4大臣会合も開かなかったし。

峯村)「遅れて開いた」と、政府高官からは聞きましたが、手遅れです。懇切丁寧に中国側は、何日も前に「ここに撃ち込みます」と予告していたわけだから対処法はいくらでもあったわけです。

飯田)そのタイミングで「ちょっと待てよ。EEZにかかっているではないか」と。

峯村)その海域を見て誰も気付かなかったのでしょう。そこに「撃てるものなら撃ってみろ」と自衛隊の艦船が突っ込めば、中国も手を出しづらくなる。「迎撃するぞ」という姿勢を見せなければならなかったのです。

日本が「何もしない」ということは、中国側が「これは罠だ」と思うくらいあり得ないことだった

飯田)中国にすれば、台湾有事のときの日本のコミットメントも含めて試していた。

峯村)そういうことなのです。終わったあとで中国の専門家からも「日本はどういう遠謀深慮があって緩い抗議をしてきたのか」と聞かれました。

飯田)むしろ対応してこないことが向こうには想定外だった。

峯村)何か罠があるのではと思ったのです。基本的に中国人のDNAはすべてを疑ってかかるので。

飯田)なるほど。性善説のようなものはまったくなく、むしろ性悪説で考える。

峯村)彼らが「これは罠だ」と思うくらい、今回の日本の措置はあり得ないオプションだったということです。そういう意味なのです。

飯田)それをナチュラルにやってしまったというのは、非常にまずいですよね。

峯村)愚の骨頂です。外交敗北ですよ。次回、またEEZに撃ち込んできた場合、強く抗議したとしても「この間、あなたたちは何も対応しませんでしたよね。電話しただけでしたよね」で終わってしまうではないですか。

飯田)「我々は前例を踏襲しただけです」というような。

峯村)そうなってしまいます。「あなたたちが前回、否定してこなかったので、それでいいのだと思いました。東シナ海にはEEZは存在していないのですよね」という話につながりかねません。

習近平氏との会談には強い態度で臨むべき

飯田)初手で間違うと、のちのちの禍根が大きくなる。

峯村)今後想定される台湾有事を考えて、とても大きなミスだったと思います。挽回するくらいの気持ちで習近平さんと会って、「もう黙っていないぞ」という姿勢をみせなければなりません。

飯田)それが岸田さんにできるのか。あるいはセットされるのかどうか。

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