W杯コスタリカ戦で「痛恨の敗北」 悔やまれる日本の「ミスの連鎖」
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スポーツライターの飯尾篤史氏が11月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現地・カタールから11月27日に行われたサッカーワールドカップ日本対コスタリカ戦の模様を語った。
せめて勝ち点「1」が欲しかった日本
飯田)コスタリカ戦、0対1で日本が敗れてしまいました。取材されていてどのような感想をお持ちですか?
飯尾)痛恨ですよね。
飯田)痛恨。
飯尾)「勝ち点1」を狙っていました。残り10分、ゴールをこじ開けられるのではないかという雰囲気のなかで起きた、ミスの連鎖でした。試合後の選手たちも「切り替える」とは言っていましたが、やはり重い空気でした。
プラン通りに進めていたが、集中力が欠けてしまった
飯田)試合展開はどうだったのでしょうか? プラン通りだったのですか?
飯尾)展開はプラン通りでした。「前半は0対0でいい」というなかで、後半でカードを切っていく形はドイツ戦と似ていますが、コスタリカは守備が固くてカウンターがうまいチームなので、そこに細心の注意を払いながら進めていました。
飯田)カウンターに気を付けて。
飯尾)コスタリカのカウンターに細心のケアをしながらも、ジワリジワリと攻め込んでいたところはプラン通りだったのですが、少し集中を欠いたと言いますか、もったいなかったですね。
決めるべきシーンでゴールを取れなかった日本
飯田)一瞬のほころびを突かれたのですね。
飯尾)そうですね。ほころびを突かれたのですが、日本がミスをして、その隙を与えてしまったので、自滅ですね。
飯田)一瞬でもミスをするとダメになってしまう。世界レベルは厳しいのですね。
飯尾)「これがサッカー」という言い方もできるのですが。先ほど「ジワリジワリ」という言い方をしましたが、80分を迎えるまでに日本が決めてもおかしくないシーンもありましたので、そこで決められなかったのが大きかったと思います。
相手の守りを崩しかけたところでのミス
飯田)相手の守備を崩していくことが難しかったのでしょうか?
飯尾)コスタリカも、後ろに5枚ディフェンダーを並べていましたので、難しいのは間違いないのですが、そこを崩すトレーニングもしています。日本には三苫薫や伊東純也など、サイドから崩せる選手たちもいて、その選手がピッチに入り、ようやく崩しかけたというところですよね。
飯田)三苫薫や伊東純也が入ってきて。
飯尾)そういう意味では、少しゴールが近づいてきていたところで、「点が取れるのではないか」という雰囲気が生まれ、守備の点で少し「フワッ」としてしまった……。
飯田)守備の方が。
飯尾)この試合、コスタリカは日本のペナルティエリアに2回しか入っていないのです。シュートも遠目から4本でした。日本としては、完全にカウンター対策をしていて、ゴールを奪われるような危ないシーンがないままきていました。
飯田)カウンターを防いでいた。
飯尾)あのシーンも中盤で、どこかで誰かが取れるだろうと。吉田麻也選手がクリアをシンプルにすればいいのでしょうけれど、そこを攻撃につなげるために、守田英正選手につなげようとしたパスが「フワッ」となってしまい、守田選手に届かず相手に渡ってしまった。油断したわけではないのでしょうが、「フワッ」としていましたね。
本気のスペインに挑まなければならない
飯田)しかし、逆に選手たちは、自分たちのゲームを進めてきた自信もあると思います。「次に向けて」はいかがでしょうか? ショックが大きいのか、「いや、まだまだ俺たちはいける」と思っているのか。
飯尾)正直なところ、ショックが大きいなかで、「まだまだいける」と言い聞かせているところでしょうね。
飯田)なるほど。
飯尾)ドイツとスペインが引き分けてしまいましたので、日本は2位にいますが、スペインが勝ち点4、日本が勝ち点3、コスタリカも3、ドイツが1。
飯田)現在の順位は。
飯尾)スペインがドイツを下して勝ち点6になっていれば、もう突破は決まるので、日本戦では多少、メンバーを落としてきたかも知れません。しかし、スペインの勝ち点は4しかないので、日本戦に負けたら順位をひっくり返される可能性も出てきたため、スペインも本気で攻めてくる。その本気のスペインに日本は勝たなくてはならない状況ですので、厳しくなったことは間違いないですね。
ボールポゼッションも相手の2倍くらい持っていたなかでの悔やまれるミス
飯田)試合の途中で、森保監督が指笛を吹くシーンが見えましたが、指示が伝わらないことがあったのでしょうか?
飯尾)そうですね。前半35分くらいに日本はシステムを変えようとして、森保監督から指示が出ていたのですが、ピッチに届かず指笛を何度か吹いていました。キャプテンの吉田麻也選手が気付いたのは、森保監督が支持を出してから1分半くらいあとでしたね。
飯田)届いたのが。
飯尾)ワールドカップくらいの対戦になると、歓声も大きいですし、なかなか指示が伝わらないことはあります。日本も前半のうちに少し形を変えて対応し、後半はボールポゼッションも相手の2倍くらい持っていて、修正もうまくいっていたのです。だからこそ、なおさら悔やまれるミスでしたね。
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