「終わりの始まり」が始まったトランプ前大統領

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現在のアメリカの全体的な状況について解説した。

「終わりの始まり」が始まったトランプ前大統領

米オハイオ州で開かれた共和党候補の集会で演説するトランプ前大統領=2022年11月7日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

アメリカのいまの雰囲気

飯田)宮家さんはワシントンからの出張帰りということですが。

宮家)キヤノングローバル戦略研究所とスティムソン・センターが共同で、日本外交に関するウェビナーを開催したのです。

飯田)日本外交に関する。

宮家)3つポイントがあります。1つは国家安全保障戦略、「安保3文書」です。これの概要が日本で報じられ始めたので説明しました。簡単に言うと、アメリカは「なるほどね。トマホークも買うの?」というような感じで「日本もきちんとやっているのね」という反応でした。

飯田)きちんとやっているではないかと。

さまざまな地域専門家がいる

宮家)もう1つ、アメリカに行くといつも感じるのですが、世の中にはいろいろな地域があるのだけれど、私がいちばん重視するのはヨーロッパ戦域と中東の戦域、それからインド太平洋です。もちろんアフリカや中南米などもあるのだけれど、その3つの戦域は日本にとって大切なところです。ワシントンにも当然のことながら、それぞれの専門家がいるのです。

飯田)地域専門家。

宮家)ロシアの専門家、ヨーロッパの北大西洋条約機構(NATO)の専門家、そして中東やインド太平洋地域の専門家もいるわけです。以前、インド太平洋はあまり脚光を浴びていなかったけれど、いまは急激に注目されています。

飯田)インド太平洋地域が。

世界戦線は1つになりつつある ~壮大なゼロサムゲーム

宮家)だけれども、過去数十年見ていてつくづく思うのは、「もうヨーロッパ戦域も中東戦域も、それからインド太平洋戦域も1つの戦域になりつつある」ということです。

飯田)1つに。

宮家)日本がアメリカと一緒に中国と対峙するとなると、日本が独自にできるわけがないので、アメリカがしっかりしなくてはいけないわけです。

飯田)そうですね。

宮家)アメリカがヨーロッパにも駐留し、中東にも駐留しているわけですが、そこで何かが起きては困る。そういう意味では、全体が壮大なゼロサムゲームなのです。残念ながら。

賞味期限が切れ始めたトランプ前大統領

宮家)しかし、いちばん言いたかったのは、アメリカの大統領選挙です。

飯田)大統領選挙。

宮家)中間選挙後に次の大統領選が始まったのはいいのですけれど、始まってから時間がかかる。2年ありますからね。

飯田)2024年ですものね。

宮家)トランプ氏の賞味期限が切れてしまったのではないかと思います。トランプさんの勢いがいままでとは違う。刑事事件も出てきたようですし、そろそろ彼の終わりの始まりが始まったような気がします。

飯田)ジョージアの選挙が終わった直後くらいのタイミングでしたね。

宮家)トランプさんのように「選挙結果を否定する候補」は、軒並み落ちていますからね。

飯田)そうですね。

宮家)「賞味期限が切れ始めたな」とみんな思っているのではないでしょうか。ただ、まだ強いから今はトランプに喧嘩は売りません。その様子を我々は見ていなくてはいけないと思います。

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