「終わりの始まり」が始まったトランプ前大統領
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現在のアメリカの全体的な状況について解説した。
アメリカのいまの雰囲気
飯田)宮家さんはワシントンからの出張帰りということですが。
宮家)キヤノングローバル戦略研究所とスティムソン・センターが共同で、日本外交に関するウェビナーを開催したのです。
飯田)日本外交に関する。
宮家)3つポイントがあります。1つは国家安全保障戦略、「安保3文書」です。これの概要が日本で報じられ始めたので説明しました。簡単に言うと、アメリカは「なるほどね。トマホークも買うの?」というような感じで「日本もきちんとやっているのね」という反応でした。
飯田)きちんとやっているではないかと。
さまざまな地域専門家がいる
宮家)もう1つ、アメリカに行くといつも感じるのですが、世の中にはいろいろな地域があるのだけれど、私がいちばん重視するのはヨーロッパ戦域と中東の戦域、それからインド太平洋です。もちろんアフリカや中南米などもあるのだけれど、その3つの戦域は日本にとって大切なところです。ワシントンにも当然のことながら、それぞれの専門家がいるのです。
飯田)地域専門家。
宮家)ロシアの専門家、ヨーロッパの北大西洋条約機構(NATO)の専門家、そして中東やインド太平洋地域の専門家もいるわけです。以前、インド太平洋はあまり脚光を浴びていなかったけれど、いまは急激に注目されています。
飯田)インド太平洋地域が。
世界戦線は1つになりつつある ~壮大なゼロサムゲーム
宮家)だけれども、過去数十年見ていてつくづく思うのは、「もうヨーロッパ戦域も中東戦域も、それからインド太平洋戦域も1つの戦域になりつつある」ということです。
飯田)1つに。
宮家)日本がアメリカと一緒に中国と対峙するとなると、日本が独自にできるわけがないので、アメリカがしっかりしなくてはいけないわけです。
飯田)そうですね。
宮家)アメリカがヨーロッパにも駐留し、中東にも駐留しているわけですが、そこで何かが起きては困る。そういう意味では、全体が壮大なゼロサムゲームなのです。残念ながら。
賞味期限が切れ始めたトランプ前大統領
宮家)しかし、いちばん言いたかったのは、アメリカの大統領選挙です。
飯田)大統領選挙。
宮家)中間選挙後に次の大統領選が始まったのはいいのですけれど、始まってから時間がかかる。2年ありますからね。
飯田)2024年ですものね。
宮家)トランプ氏の賞味期限が切れてしまったのではないかと思います。トランプさんの勢いがいままでとは違う。刑事事件も出てきたようですし、そろそろ彼の終わりの始まりが始まったような気がします。
飯田)ジョージアの選挙が終わった直後くらいのタイミングでしたね。
宮家)トランプさんのように「選挙結果を否定する候補」は、軒並み落ちていますからね。
飯田)そうですね。
宮家)「賞味期限が切れ始めたな」とみんな思っているのではないでしょうか。ただ、まだ強いから今はトランプに喧嘩は売りません。その様子を我々は見ていなくてはいけないと思います。
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