ウクライナの「ロシア領内へのドローン攻撃」の背景に「ロシアとアメリカの和解交渉」か

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中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が12月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナのエネルギー関連施設2ヵ所を襲ったロシアのドローン攻撃について解説した。

ウクライナの「ロシア領内へのドローン攻撃」の背景に「ロシアとアメリカの和解交渉」か

米マクサー・テクノロジーズ社が2022年12月5日に公表したロシア中部サラトフ州のエンゲリス空軍基地の衛星写真 AFP PHOTO / HANDOUT/ Satellite image (C)2022 Maxar Technologies 写真提供:時事通信社

ウクライナ南部オデーサにドローン攻撃 ~重要インフラを除き電力供給が途絶

複数のウクライナ当局者は12月10日、ロシアがイラン製のドローンを使ってエネルギー関連施設2ヵ所を攻撃し、南部の港湾都市オデーサで大規模な停電が起きていると明らかにした。ゼレンスキー大統領はオデーサとその周辺で150万人以上が電力供給を受けられず、厳しい状況にあるとしている。

飯田)少し前にはウクライナがロシアへ向け、長距離のドローンを使ったのではないかとされていました。

野村)いまは冬の戦いです。ロシアは冬の時期、ウクライナの人たちの生活が苦しくなると見込んで、インフラ攻撃を続けてきたわけです。

飯田)冬の戦い。

野村)ウクライナ側はこれまでロシア領内に対しては基本的に攻撃していなかったのですが、モスクワから200キロくらいの基地までドローンを飛ばしたのではないかと言われています。ウクライナ側は否定していますが、そうみられる攻撃があり、それに対してロシアが報復攻撃したという状態だと思います。

ロシアとアメリカが和解を進めようとしているのではないかという見立ても

野村)緊張感が高まっているのですが、背景には、ロシアとアメリカが和解を進めようとしたのではないかという話もあります。その議論に参加できないということで、ウクライナがロシアに攻撃したのではないかという見立てもあります。

飯田)12月8日には、ロシアで拘束されていたアメリカの女子プロバスケット選手と、「死の商人」と呼ばれる人物との身柄交換がありました。

野村)ロシアとアメリカが何かを交渉している可能性はあるのです。もしウクライナ抜きで、ウクライナの領土について話し合っているのだとすれば、ウクライナとしては到底納得できないと思います。

飯田)ウクライナとしては納得できない。

野村)今回、イランとロシアがドローンの共同生産を検討しているという報道もありますが、ドローンという武器は過酷な状況を招くわけです。無人機なので、どこでも攻撃できてしまう。これがインフラを次々に潰していくとなると、厳しい状況になりますよね。

ロシアが戦術核を使用した場合、日本はどう動くのか

野村)一方では、戦術核のことが気になります。ロシアに戦術核を使われたとき、日本はどのように振る舞うかを考えておく必要があると思います。邦人保護の問題が1つあるのと、もし大きな戦争に拡大しそうになったとき、日本がいまの平和安全法制のなかで、重要影響事態になるのかどうかをシミュレーションしておくことが必要だと思います。

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