中国からの人の流入に関するこれだけの「懸念」 早く対策を取るべき

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ジャーナリストの有本香が12月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「ゼロコロナ」政策からの転換を進める中国の動きを受け、日本の水際対策の問題点について解説した。

中国からの人の流入に関するこれだけの「懸念」 早く対策を取るべき

中国「ゼロコロナ」崩壊 北京市中心部の病院の発熱外来窓口に並ぶ市民ら=2022年12月12日 写真提供:共同通信社

中国政府が2023年1月8日から入国時の強制隔離を撤廃へ

中国政府は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離を、2023年1月8日から撤廃すると発表した。感染症の危険度判断の引き下げも決定した。現在は海外などからの入国者には、5日間の強制隔離と3日間の自宅健康観察が義務付けられている。また入国後のPCR検査と強制隔離も取りやめる。

ゼロコロナ政策から一気に転換する中国 ~一方で感染が爆発的に拡大という情報も

飯田)中国は最近、ゼロコロナ政策からの転換を加速的に進めているようです。

有本)極端から極端に振れていますよね。要するに、ゼロコロナ政策として住民を抑えつけ、都市封鎖をしていたわけです。それを一気に全部開けるわけでしょう。

飯田)そうですね。

有本)一方では、感染がいま爆発的に拡がっていて、衝撃的な情報や映像が流出していますよね。

飯田)病院の映像など。

有本)まさに3年前、武漢で謎の肺炎により、人がバタバタと倒れているときと同じような状況になっているのです。

中国で強毒性の疑いのある新型コロナ感染が拡大している以上、中国からの人の流入を制限するべき

有本)いまキーワードとしてあるのが「白肺」です。

飯田)白肺。

有本)肺炎になると、レントゲンで見た肺は白くなるではないですか。一気に肺が真っ白になってしまうということです。まさに3年前と同じような話ですよね。

飯田)あの当時はCTスキャンで見ると、「すりガラス状に」などという話もありました。

有本)もしかすると、いま日本などで流行しているオミクロン株などとはまったく違うもので、非常に質の悪いものが拡がっているのではないかという憶測が強いですよね。

飯田)強毒性のものが。

有本)(2023年)1月には、欧米と同じように出入国をフルオープンにするのではないかという情報はありました。

飯田)1月には。

有本)中国で感染拡大しているものの正体がわからない以上、日本は中国からの人の流入を制限する方向で、早く手を打つべきだと思います。

正式な情報が出てこない

飯田)中国国内でどういう変異が起こっているのか。民間によるゲノム解析などを禁止するというような話も出てきています。

有本)正式な情報が出てきません。ですから正体がわからないうちは、とりあえず止めるということだと思います。

日本で薬を買って中国へ送る動きが起きている

有本)いろいろな憶測も含めた情報がたくさん出ています。医療や薬が十分ではないので、日本にいる中国の方が薬を買って送ろう、という流れが起きているのです。

飯田)日本にいらっしゃる。

有本)さすがにドラッグストアの方が、前と同じ轍を踏まないように個数制限をしているようですけれど。3年前にも買い占めが起きて、日本の店頭からマスクが消えてしまったことがありました。ほとんど似ているのですよね。

飯田)3年前の2020年初頭、1月ごろにはそういう現象が起きました。

有本)起こりましたよね。

米大使館は中国でのビザ発給業務を停止

有本)振り返ると、「3年間で何をしていたのだ」と思います。日本の場合、特定のものの輸出を止めることが難しいのです。

飯田)特定のものを。

有本)輸入を止めることはできても、「持ち出すことを禁止する」ことは急にはできないと当時も言っていました。でも、また同じことが起こるのではないでしょうか。

飯田)持ち出すということが。

有本)あるいは、中国からの入国を止めるということです。問題ないことがわかったら開ければいいのですから。

飯田)アメリカはビザの発給を……。

有本)一時止めました。在中国米国大使館はビザの発給を停止しています。

2023年の春節は1月22日

有本)3年前(2020年)は1月25日が春節でした。2023年は1月22日で、同じような暦回りなのです。あのとき私たちは、「早く入国を制限するべきだ」と言っていました。1月末日くらいにアメリカは中国からの航空機をほとんど止めてしまいました。日本はそこから止めるのに2ヵ月近く掛かったのです。

飯田)あの当時。

有本)比較的リーダーシップが強い、当時の安倍政権ですらそうだったのです。法律上、そういうことがしにくい状況なのだと言われていましたけれど、いまもほとんど変わっていないでしょう。

最低限、海外旅行保険の加入を義務付けるなどの対策が必要

飯田)アメリカは止める前も、別室できちんと検疫してからと。

有本)中国からの航空機に関しては、すべて動線を分けていました。私は先月(11月)と今月、外国へ行って帰ってきましたが、日本の水際対策はとても非合理的だと思います。無駄に厳しい。

飯田)無駄に厳しい。

有本)無駄に厳しいのですけれど、「水際で何かを防げているのか」は疑問ですね。例えば日本が求めるワクチンを「3回以上打っていなければダメだ」と言っているのですけれど、中国の場合はそれがないではないですか。72時間以内のPCR検査の結果を持ってこいと言うのですが、そういうものは偽造できると思います。紙1枚のことなのです。

飯田)そうですね。

有本)いままでは中国側の再入国、中国から出た人が中国に戻るときに隔離があったから、あまり外に出ていないのですけれど、それを全廃する方針です。向こうの医療状況が悪いことを考えると、日本に来る人が増えると思います。例えば日本に親族がいる人など。それをどうするのでしょうか。

飯田)日本だと保険が効くらしいぞ、とか。

有本)コロナに関しては、まだ2類相当になっていますから、すべて日本が国費で負担するのです。

飯田)そうですよね。

有本)旅行者であれ、何であれ。

飯田)感染者はすべて。

有本)それもまったく変わっていない。中国に限りませんけれど、入れるなら入れるで、外国人に関しては海外旅行保険の加入を義務付け、そうしなければ入れないなど、保険ですべてカバーさせるような対策くらいは取らなければいけないと思います。

飯田)最低限ですね。

有本)雪崩を打ったように入ってきたらどうするのでしょうか。

飯田)人が大いに動く時期に。

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