森保監督が語る「日本代表チームが進化するために必要なもの」とは
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スポーツライターの飯尾篤史氏が1月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本代表チームの続投が決まった森保監督と日本代表チームの今後について語った。
サッカーワールドカップカタール大会を振り返って
飯田)2022年サッカーW杯カタール大会では、現地からの生レポートで大変お世話になりました。何度もW杯を取材されている飯尾さんからご覧になって、今回の大会はいかがでしたか?
飯尾)ゴールもたくさん生まれましたし、日本、サウジアラビア、韓国、オーストラリアというアジア勢の躍進、そしてモロッコというアフリカ勢の躍進もあって、「面白かったな」という印象が強いですね。
これまでの大会とは違い、長かったアディショナルタイム
飯田)アディショナルタイムがいままでとは違い、とても長かったのですが、その辺りはいかがでしたか?
飯尾)アディショナルタイムに関しては、大会序盤は違和感があり、「え?」という試合が多かったです。しかし、「今大会はそのような大会なのだ」と理解してからは、7分などのアディショナルタイムが普通になりましたので、そこも含めて楽しむことができました。
飯田)最初は「まだ終わらないのか?」という感じでしたよね。
飯尾)そうですね。7分あれば2点くらい入ってもおかしくありません。そのような緊張感も含めて、いままでとは違うW杯でしたね。
「まだまだ学びたい」という気持ちの強い森保監督
新行市佳アナウンサー)大会終了後に森保監督に90分間のロングインタビューを行ったそうですが、お話を伺った印象はどのようなものでしたか?
飯尾)印象としては、これまでの4年半と変わらずに落ち着いていて、ニコニコ話してくれました。ただ、本音を話してくれるところもあれば、うまくかわされるところも相変わらずありました。こちらも突っ込んではいるのですが、なかなか明かしてくれませんでしたね。
飯田)なるほど。
飯尾)その時点で、ある程度、森保監督も契約延長が視野に入っていたと思うので、そうなったのではないでしょうか。これで解任になっていたら、もっと明かしてくれることも多かったと思うのですが、なかなか本音を明かしてくれないところがありました。
新行)本音を明かしてくれないところもありつつ、なかでも心に残っている言葉やエピソードなどはありましたか?
飯尾)クロアチア戦終了後も話していたのですが、「まだ勉強したい」という思いが強くあるようです。森保監督もまだ若いですし、成長途中の監督と言いますか、この4年半もW杯までの道のりのなかで、学びも多かったと思います。
飯田)成長途中であると。
飯尾)ヨーロッパでプレーしている選手たちからも、彼らは自分が知らないことを日々学んでいるので、彼らからも学びを吸収してそれを日本代表の勝利につなげたい。そして森保監督自身も、機会があればヨーロッパで学びたいというような話を常にしています。日本代表を勝たせたいという気持ちに加えて、常に「学びたい」という気持ちが言葉の端々やいろいろな質疑応答のなかで感じられました。
コーチングスタッフの刷新が代表チームの進化の要因になるか
飯田)4年契約が決まりましたが、代表はまだまだ形を変えていくし、進化を続けていくということですか?
飯尾)そうですね。森保監督は早くからテレビなどで、「オファーがあったらぜひやりたい」というようなことを口にされていました。足りない部分や進化できる部分をチームや選手、また監督自身もかなり明確に感じているようです。次の4年間でそこを成長させ、「ベスト8」という次のステージに進んでいけるという思いがあるので、「やりたい」と言っていたのだと思います。
飯田)なるほど。
飯尾)代表チームのなかでも、横内コーチや上野コーチが既にJリーグの監督に就任しましたので、コーチングスタッフの刷新ということは間違いなくあります。
飯田)コーチングスタッフの刷新。
飯尾)森保監督ご自身も、「自分はマネージャータイプであって、全体を見るのだ」と。攻撃面なら横内コーチ、守備面であれば斉藤コーチに任せる。世界ではそのような分業制がスタンダードです。新しいスタッフのサッカーの指導や練習内容などで、代表チームのカラーも変わってくると思います。そのようなところもまた1つ、代表チームの進化の要因になると思います。
外国人コーチ加入の可能性はあるのか
飯田)コーチ陣の入れ替えが行われるなかで、いままでは日本人、特にサンフレッチェ広島で一緒にやっていた方が多かったと思いますが、外国の方が入ってくることはあり得るのでしょうか?
飯尾)ないとは言えませんが、おそらく、いまは日本人コーチをリストアップしていると思います。いまはコミュニケーション面も含めて、そこが第1路線だと思うのですが、今後、新しい外国人の方が入ってくるかも知れませんし、まだ何とも言えないですね。
「チャンピオンズリーグ」に出場できる選手がもっと増えなければならない
飯田)今後の課題や見通しはいかがですか?
飯尾)いまヨーロッパの最高峰と呼ばれる「チャンピオンズリーグ」というクラブチームの大会があって、そこにフランクフルト所属の鎌田選手や、スポルティング所属の守田選手、セルティック所属の前田選手などが出ています。
飯田)UEFAチャンピオンズリーグ。
飯尾)しかし、「もっとチャンピオンズリーグに出るようなクラブで選手がプレーしなくてはならない。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントや優勝を狙えるチームに選手たちが入っていかなければいけない」ということを、森保監督や選手自身も話していました。
飯田)チャンピオンズリーグに出ることができる選手が。
飯尾)一方で代表チームに関しては、攻撃担当の新しいコーチが必ず入ってきます。今大会では「粘り強い守備」や、「チームとしての一体感やピッチ内での主体性」というようなことはできましたが、今後、さらに攻撃のデザインなどの部分が強化できればと思います。
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