坂東彌十郎「ヨーロッパに歌舞伎スタイルの劇場をつくることが夢」
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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(12月23日放送)に歌舞伎俳優の坂東彌十郎が出演。これからの夢について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。12月19日(月)~12月23日(金)のゲストは歌舞伎俳優の坂東彌十郎。5日目は、2023年1月2日からの初春大歌舞伎と、これからの夢について---
黒木)2022年も大忙しでしたね。
坂東)こんなに忙しくなるとは思ってもみませんでした。
黒木)彌十郎さん、また忙しくなりますね。新年の2日から『歌舞伎座新開場十周年「壽 初春大歌舞伎」』です。2023年の1月2日から27日までということですが、これは1部2部3部とありますが、2部にお出になると伺いました。
坂東)なかなか出ない演目なのですが、「人間万事金世中 強欲勢左衛門始末」というお芝居なのです。正月の歌舞伎座で主役をやらせていただくのですが、役者を始めて50年なので、記念にさせていただいたのかなと。本当にありがたいですよね。
黒木)タイトルを拝見すると、最後が「始末」になっているので壮絶な感じなのかなと。
坂東)半分喜劇ですよね。強欲な人を扱った喜劇です。
黒木)喜劇だけれども、少し考えさせられるような。
坂東)そういうことはあるでしょう。作者が河竹黙阿弥さんという幕末の方なのですが、「散切物」と言って、散切頭、明治の初めのお話なので、少し不思議な感覚だと思います。「これ歌舞伎なの?」と思われるかも知れません。台詞回しは、「黙阿弥調」と言って、相方に乗ってしゃべるというものです。相方も待っていますから。
黒木)この2部の話がきたときにはどうでしたか?
坂東)大河ドラマが終わって、こんないい役をやらせていただけるのかなと、驚きました。普段、主役をされている方たちとご一緒してつくれるので、楽しみにしています。
黒木)将来はヨーロッパに歌舞伎スタイルの劇場をつくりたいという夢があるということですが。
坂東)それは実現したいと思っています。歌舞伎の公演をするにしても、海外では回り舞台や花道ができないので、「回り舞台や花道のある歌舞伎」を観ていただきたい。
黒木)回り舞台や花道がある歌舞伎を。
坂東)なおかつ、そこで、ヨーロッパの演劇をしてくれたら、違う演出ができるではないですか。「ユーロ歌舞伎」などというのができるのではないかなと思っています。
黒木)有言実行ですね。
坂東)声に出すことにしました。
黒木)歌舞伎の舞台の形状は独特ですからね。
坂東)やはりあれで観ていただきたいし、海外で評判になれば、日本の方は、観ていない方でも、「そんなに外国で評判なら観に行ってみようかなと」なるではないですか。
黒木)逆輸入。他にはどんな夢をお持ちですか?
坂東)年に1回のスイスに行きをまた復活させたいなと。
黒木)そろそろ行けるようになりましたが、まだ不安定ですよね。
坂東)あとは、いただいた仕事をきちんとこなせるようになりたいなと思いますね。
黒木)彌十郎さんからそのような言葉を聞くと身が引き締まりますね。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳