日米韓による外務次官協議を開催するアメリカの「本当の狙い」
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが1月31日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2月に開催される日米韓による外務次官協議について解説した。
日米韓、外務次官協議開催へ
日本・アメリカ・韓国が2月中旬にワシントンで外務次官協議を開く方向で最終調整に入った。近く開催される米韓、米中の外相会談をふまえ、北朝鮮に対する抑止力強化を確認する他、中国への対応でも連携を強化する方針。
飯田)日本は安保3文書を改定し、一方では、韓国も「インド太平洋戦略」を去年(2022年)末に発表しています。
日米韓が連携することで北朝鮮を牽制、また、中国による台湾侵略を抑止する ~ストルテンベルグNATO事務総長の来日の狙い
クラフト)長年アメリカが望んできた、日韓の関係修復が少しずつ見えてきています。日米韓がより連携することで、北朝鮮への牽制、また中国を念頭に置いた台湾有事を抑止する動きとなります。
飯田)日米韓の連携で。
クラフト)もう1つ大きな動きとしては、ストルテンベルグNATO事務総長が来日しました。これまでウクライナ情勢あるいは欧州情勢に対し、アジア、特に韓国は消極的だったけれど、ここでNATOがアジアの安全保障に踏み込む代わりに、アジア側もウクライナ情勢をより見ることになる。これまでも日本はウクライナを支持していますけれど、その他のアジア諸国は中国・ロシアを考えて消極的でした。そこで一気に連携を高めようという狙いがあるのだと思います。
飯田)中国による台湾へのプレッシャー、そして北朝鮮。ここが連動する可能性もアメリカは見ているわけですよね。
クラフト)もちろんそれはありますし、逆に北朝鮮は北朝鮮で、中国の圧力がないとなかなか効果的な策が取れない。その辺りのアピールも含めて、実はアメリカは北朝鮮への対策がなく喘いでいるという現状です。そこで日米韓の連携を強調し、圧力を掛けていくのだと思います。
アメリカ独断の時代は終わり、多国間の連携・抑止の時代に入った ~日本・韓国、できればASEANも取り込みたいアメリカ
飯田)アメリカの東アジア情勢への危機感は、相当高いのですね。
クラフト)米政府高官などと話していても危機感の高まりを感じます。もう1つは、アメリカだけでは世界の安全保障、特にアジアの安全保障は賄えない。従って、特に日本と韓国、できればASEANなどの国を取り込んで、「安全保障を連帯で担っていく」というのがアメリカの考えです。
飯田)場合によってはNATOも入ってくるし、オーストラリアやインドを巻き込むということですね。
クラフト)そういうことです。特にインドを巻き込みたいのですけれども、インドはインドで独自政策があるので、なかなか厳しい。アメリカ独断の時代は終わり、「多国間の連携・抑止」という時代に入ったのだと思います。
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