キャスターの辛坊治郎が2月8日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。大阪市の中心部を南北に貫くメーンストリートである御堂筋の町並みがこの約20年で生まれ変わったことについて触れ、「大阪の発展を阻害していた建物の高さ制限を政治決断で緩和したおかげ。規制緩和という視点の欠如が日本全体を老朽化させる」と指摘した。
大阪ガスは国の有形文化財に登録されている本社ビル「大阪瓦斯ビルヂング」(通称・ガスビル/8階建て、大阪市中央区)周辺の再開発計画を発表した。本社ビルを改修するとともに、33階建ての高層ビルを新設して本社を移転する。総事業費は500億円以上を見込む。
辛坊)このニュースは、日本の発展を阻害しているのは何かという大問題と密接に関係しています。
ガスビルは南北約4キロにわたる御堂筋に面しています。この御堂筋には約20年前、老朽化したビルばかりが建ち並んでいました。理由は、厳し過ぎる高さ制限によって、建て替え意欲がそがれていたからです。御堂筋は空が開けており、その景観を守りたい人たちの気持ちも確かに分かります。
ただ、厳格な高さ制限によって老朽化したビルが放置された御堂筋は当時、夜になると真っ暗になり、怖くて歩きたくない道だった時代がありました。それで改善の機運が高まり、反対意見はあったものの、一定条件を満たした建物については高さ制限が緩和されたんです。この高さ制限の緩和によって、この20年くらの間に老朽化したビルが次々に建て替わり、ブランドショップもたくさん出店しました。また、夜間のライトアップも始まりました。そうやって、街が劇的に生まれ変わったんですね。
このように、大阪の発展を長年、阻害していた要因である高さ制限が政治決断によって緩和されたおかげで、大阪は魅力的な街になりました。日本に必要なのは、こうした規制を緩和する視点だと思います。その視点がないから、日本全体がどんどん老朽化していくんです。従来の決まりを守ることに情熱をかけるような人が増えたことが、結果的に今の日本につながっているのではないかと感じています。御堂筋の変化を見ていると、つくづくそう思います。
ちなみに、大阪ガスが発表した計画案によりますと、ガスビルは外観と床面積の約85%を保存して歴史的建築物としての趣を残し、西側には33階建てのビル(西館)を建設して本社機能を西館に移転・集約するそうです。計画案ではまた、昭和8年の南館完成と同時に開業して現在も営業する「ガスビル食堂」を残すとしています。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)