キャスターの辛坊治郎が3月2日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。林芳正外相が参院での予算案審議を優先し、1日に開幕した20カ国・地域(G20)外相会合を欠席したことをめぐり、与野党が責任をなすり合っていることについて、「何をやってるんだ。日本の参院、国会は」と苦言を呈した。
G20外相会合が1日、インドで開幕した。議長国のインドは、欧米とロシアのどちら側にもつかないグローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国の代表格で、こうした国々の声をG20に反映させていく考えだ。
辛坊)林芳正外相は参院予算委員会への出席を優先し、G20外相会合を欠席しました。大臣は国会に呼ばれると出席しなければならないという決まりがありますからね。ところが、林外相がG20外相会合を欠席することについて、メディアが批判的に報道したことにより、国会の雰囲気が様変わりしました。いつもなら「国会軽視だ」と主張するはずの野党側が、「なぜ、行かないんだ」と批判する形になったんです。
何が起きたかというと、林外相がインドに行けなかった原因について、「野党が『国会の審議に外相が出席しないのはおかしい』と主張するからだ」というニュアンスの報道が広がったためです。これにより、野党側としては「いや、俺たちは反対してない。行くべきだ」という立場を取らざるを得なくなったわけです。これに対し、与党側は「いや、野党が『国会に出ろ』って言うから、しかたなく見送ったんだ」と反論する形になりました。
こうした状況になった背景としては、参院の地位低下を恐れる自民党参院議員の中の偉い人たちの間に、「やはり、参院予算審議の冒頭に大臣は全員出席しているべきだろう」という考えがあったのでしょう。これに対し、野党側は「ひと言相談してくれれば、行かせたのに」との立場です。この野党側の言い分は本当かもしれないけれども、「何をやってるんだ。日本の参院、国会は」というのが私の素朴な印象です。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)