中国経済をどう立て直すのか、誰が担当するのか ~「全人代」開幕 

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中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が3月3日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。3月5日に開幕する全国人民代表大会について解説した。

中国経済をどう立て直すのか、誰が担当するのか ~「全人代」開幕 

中国の習近平国家主席(タイ・バンコク)=2022年11月19日 EPA=時事 写真提供:時事通信

中国「全人代」が3月5日に開幕

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が3月5日に開幕する。習近平国家主席への権力集中が強まるなか、ここ10年で最大の人事刷新を行う見通し。

人事面と経済をどう立て直していくのか

新行)全人代は、よく国会に相当するという言い方をしますよね。

野村)中国のような体制では、国が方針を決め、その方針に従って国を運営していく形になりますので、全人代において重要な意思決定をするわけです。

新行)そうですね。

野村)5年に1度開かれるわけですけれども。今回、いちばんの注目点は、習近平国家主席の独裁的な体制がさらに強まるのかどうかという人事面です。そして、痛み始めている中国経済をどう認識していて、どういう対策を行うのか。

中国経済が悪くなったのはゼロコロナ政策のせいだけではない ~不動産バブル崩壊がさまざまなビジネスに影響

野村)中国は「ゼロコロナ政策のせいで調子が悪くなったのではないか」とよく言われます。

新行)そうですね。

野村)もちろんその影響はありますが、ゼロコロナがなくても、中国はやはり調子が悪くなっているはずなのです。1つは高齢化が進み、人口減少が始まっている側面があります。もう1つは、コロナ禍になる前に問題になっていたのですが、不動産バブルが弾けたのではないかということです。

新行)ありましたね。

野村)建てていたはずのマンションが、途中で建たなくなっているということが報道されていました。

新行)そうでした。

野村)不動産にお金が集まっていて、特定の企業が儲かっているという状況があったので、そこに冷や水をかけるような政策を取ったのです。その結果、不動産バブルが弾けてしまい、経済に大きな悪影響を及ぼしている。不動産が起点となったさまざまなビジネスに影響が出ています。

これからの経済をどうするのか、経済を担当する人事はどうなるのか

野村)さらに中国で昔から問題となっていたのは、金融機関などの不良債権に関して、「シャドーバンキング」と言われる隠れたお金の融通があるのではないかということです。影の部分でバブルが崩壊すると、調子が悪くなっている会社に貸し倒れが生じているのではないかと。そういう不良債権問題も気になるところです。

新行)不良債権問題。

野村)構造的な問題や根本的な経済の不況に対して、「ゼロコロナのせいだ」と言っても、誤魔化しきれない状況になっています。中国は今後の経済をどうするのか、そのために経済を担当する人事をどうするのか。そこが注目されるところです。

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