数量政策学者の高橋洋一が3月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田総理のウクライナ訪問について解説した。
G7広島サミット、ゼレンスキー大統領がオンライン参加を表明
ウクライナを電撃訪問した岸田総理は、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行った。その後の共同記者会見のなかでゼレンスキー氏は、日本が議長国として5月に広島で開く主要7ヵ国(G7)首脳会議に、オンラインで参加する意向を明らかにした。
中国の習近平国家主席がロシアを訪問しているなかでのウクライナ訪問 ~国際的にも注目される
飯田)ゼレンスキー氏は「日本がG7の議長国、さらに国連安保理の非常任理事国メンバーとして活動しているときに、岸田総理の訪問が実現したことを非常に嬉しく思う」と述べました。折しも中国の習近平国家主席がロシアを訪問している最中であり、国際的にもその文脈が注目されていますね。
高橋)それがいちばん大きいのではないでしょうか。検討に検討を重ねてギリギリの訪問になりましたが、結果的によかったのではないかと思います。やはり岸田さんは持っていますね。
飯田)持っている。
高橋)このようなタイミングで行けることはなかなかないでしょう。
飯田)「いつ行くのだ?」と言われていて、さまざまな報道もありました。5月のG7サミットを前に、行けるタイミングは限られていたのでしょうね。
高橋)今回の日程と、ゴールデンウィークぐらいしかありません。非常にいいタイミングで訪問できてよかったですね。この訪問がなかったら、ロシアと中国の話ばかりになっていたでしょう。
飯田)国際ニュースの注目も。
今回の訪問がなければ中国が先にウクライナに接触する可能性もあった
高橋)下手をすると、中国の方が先にウクライナと接触する可能性もありました。しかし、期せずしてそれをすべて防いだ。打ち消したという感じがします。
飯田)従前に出ていたのは、中国が独自の和平案を出したけれど、ある意味での即時停戦に近く、ウクライナに領土を諦めさせるような文脈が色濃かった。
非殺傷装備品の提供も中国のロシアへの武器供与を打ち消すことができた
高橋)そうではなく、「偽の平和はダメだ」ということをはっきりさせました。非殺傷装備品の支援には批判もありますが、これは中国によるロシアへの武器供与も打ち消していますよね。
飯田)同じアジアの国で、我々は殺傷性のない装備を3000万ドル拠出すると。
高橋)それがあるので、中国は武器供与の話をしづらいでしょうね。期せずして。
飯田)アメリカなどは、中国の武器供与について牽制していました。
高橋)ある意味で「日本と同じようにやれよ」と言えますよね。
飯田)その意味では、岸田さんも西側諸国も、王手飛車取りのようないい感じの手を打ちました。
高橋)検討を重ねるといいこともありますね。
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