キャスターの辛坊治郎が3月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。香港で公開が中止になった、ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」を題材にしたイギリスのホラー映画「クマのプーさん 血と蜂蜜」について、「見どころは、どのようにして著作権侵害を回避したかだ」と解説した。
香港で23日から上映予定だった「くまのプーさん」をモチーフにしたイギリスのホラー映画「クマのプーさん 血と蜂蜜」が上映中止となった。くまのプーさんは中国の習近平国家主席と体形が似ているとして、中国本土で検閲の対象になった経緯がある。
辛坊)この映画、誰が見るのでしょうか。映画の評価としては最低だそうです。
このニュースは、香港が一国二制度はではなく、中国本土に完全に飲み込まれてしまったことを象徴しています。ディズニーのキャラクターである「くまのプーさん」は、習近平国家主席と体形が似ていることから、習国家主席を指す隠語として使われています。このため、中国のインターネット検索では、くまのプーさんは出てきません。また、くまのプーさん関連の映画は中国本土ではこれまでにも公開されていませんでした。
この映画は、くまのプーさんが“惨殺者”になるストーリーですが、ディズニーは当然のことながら認めていません。この無茶なパロディー映画が制作、公開されることになった背景には、くまのプーさんの最初の原作の著作権が切れたことがあります。
しかし、ディズニーのくまのプーさんには別の著作権があるため、この映画は別物です。ですから、ディズニーのくまのプーさんの著作権に引っかかりそうなところは全て外して作られているわけです。とはいえ、ディズニーのくまのプーさんの知名度に便乗した映画です。
著作権は一定期間を過ぎると切れますが、ディズニーはすごいですよ。例えば、初代のミッキーマウスは既に著作権が切れています。しかし、昔のミッキーマウスと今のミッキーマウスでは微妙に顔や体形が違っています。なぜなら、少しずつ更新してきているためです。もちろん、今のミッキーマウスの著作権は切れていません。ですから、それに似たようなものを作ると著作権侵害になってしまいます。
この映画は、著作権侵害で訴えられないように配慮しているはずです。この映画の見どころは、どのようにして著作権侵害を回避して、くまのプーさんを“惨殺者”に仕立て上げているかです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)