ガーシー元議員「旅券失効で他国に移動できない」は日本的な発想
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が3月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。旅券返納命令を出された東谷義和容疑者について解説した。
ガーシー元議員に旅券返納命令
飯田)ガーシー元参議院議員について、3月23日に外務省は、4月13日までにパスポートを返納するよう「旅券返納命令」を出しました。
宮家)「ガーシー」と言う呼び方はもうやめた方がいいです。東谷さんではなかったですか?
飯田)東谷義和容疑者です。
宮家)東谷容疑者でいいではないですか。あれだけ問題を起しましたから、パスポートを持っているなら、それを失効させることになった。日本にいないから官報に載せて、20日経つと失効するわけです。
パスポートが失効しても国によっては外国に滞在し続けることが可能
宮家)パスポートが失効されると他国に移動できないし、ビザを無効にして在留資格を失わせ、不法滞在になる、などと言われていますが、それは日本が決める事ではなく、その滞在国が決めることなのです。
飯田)その国が決めること。
宮家)日本側が旅券を失効させると、旅行する証明書がなくなる。しかし、ビザ無効と言っても、そもそもビザが免除されている国だってあるわけです。
飯田)確かにそうですね。
宮家)これは日本的な発想です。逆に言うと、国によっては、東谷容疑者はその外国にいられる可能性もある。これから彼はいろいろ画策するのかも知れませんが、悪あがきはやめたらどうでしょうか。もう本名で出てきたらどうですかね。
国によっては在留資格を取得できる可能性も
飯田)問題が発覚し、いまは逮捕状が取られていますが、その前は中東のドバイ周辺にいたのではないかと言われています。国によっては、「お金を積めばいてもいい」というところはあるのでしょうか?
宮家)いろいろな形で国籍を取ろうとしたり、もしくは長期滞在、在留資格のようなものを取ってしまえば、一定のプロテクションはもらえます。日本が「強制送還してくれ」と言っても、ゴーンさんのいるレバノンのように、あくまで判断は向こうの主権によりますから。
飯田)交渉ごとになってくる。
宮家)それを当然、彼は意識しているのだと思いますが、世の中そんなに甘くありません。しかし、そういう種類の日本人たちがたくさんいる国もどこかにありましたよね。秘密のルートがあるのかも知れませんけれど、結局はいたちごっこです。いずれにせよ旅券は失効され、基本的には旅行できなくなると思います。
外交交渉によって動くこともある
飯田)先日の広域強盗の事案では、フィリピン政府の協力がありましたが、外交交渉によって動くこともあり得る。
宮家)はい、でも、犯罪人引き渡し条約はアメリカ・韓国としか結んでいませんからね。
飯田)日本はそうらしいですね。
宮家)他の国であれば、自動的に強制送還にはならないのかも知れません。
飯田)交渉は現地の大使館に任されるのですか?
宮家)そうでしょうね。ただ我々は拘束できませんので、あくまでお願いベースになります。
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