経済アナリストのジョセフ・クラフトが4月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米ニューヨーク州の大陪審に起訴されたトランプ前大統領について解説した。
起訴されたトランプ前大統領、現地時間4日に出頭へ
不倫相手に口止め料を払い、揉み消しを図った疑惑をめぐって起訴されたアメリカのトランプ前大統領は現地時間4月3日、フロリダ州からニューヨーク入りし、4日に裁判所に出頭して罪状認否に臨む。起訴内容を認めず無罪を主張する見通し。大統領経験者が被告人として出廷する前例のない司法手続きを前に、警察は抗議デモが激化する可能性に備えて厳戒態勢を取った。
飯田)口止め料を払ったこと自体の違法性ではなく、帳簿への書き込み方の部分だそうです。
アメリカの場合、起訴されたからといって有罪になるとは限らない
クラフト)日本では起訴されると有罪になることが多いのですが、アメリカは起訴するハードルが低いのです。起訴されたからといって有罪になるとは限りません。
飯田)アメリカの場合は。
クラフト)今回の事件は、とても政治色が強い。もともと連邦のニューヨーク州南部地区の検事がこの起訴を見送り、今回、マンハッタン地区の検事が起訴するのですが、その前任者も起訴しませんでした。
帳簿の書き換え問題は軽罪
クラフト)帳簿の書き換え問題は軽罪なので、大した罰になりません。他の罪を隠そうとして帳簿の不正会計を行ったのなら重罪になります。そこに今度は選挙違反を付け加えて、無理矢理に重罪にしようとしているのです。民主党内からも「これはいかがなものか」と疑問視する声が出ています。
大統領選の予備選ではトランプ氏に追い風に ~本選は厳しい状況に
クラフト)大統領選にどのような影響が出るのかということですが、共和党の予備選はトランプ前大統領にとって有利になります。しかし、本選はおそらく不利になるでしょう。極右派の有権者の結束を明らかに高めていて、いまトランプ氏の支持率が上がっています。予備選ではトランプ氏にとって追い風になりますが、本選は中道派を押さえないと勝てません。
飯田)本選は。
クラフト)いま中道派にはトランプ疲れが出ています。そんななかでこのようなスキャンダルが次から次に出ると、嫌気が差してなかなか支持できない。大統領選の本選では厳しい情勢になるのではないかと思います。
共和党支持者による支持率が上昇するトランプ前大統領
飯田)「トランプ前大統領の支持率が上がっている」という報道は、共和党支持者の支持率が上がっているという理解でいいのですか?
クラフト)そうですね。一時期、フロリダ州のデサンティス知事が上がっていると言われていましたが、いまは下がってきています。これも一時的なので、また変わってくるとは思います。今回の起訴は共和党を支持する有権者から見ると不当なので、トランプ氏への同情が増えているのです。非常にコントロバーシャルな起訴だと思います。
飯田)なるほど。
クラフト)米連邦議会議事堂の襲撃を扇動したことや、ジョージア州での大統領選の投票の介入問題を起訴した方がいいのではないかという見方もあるなかで、今回の起訴がどうなるのか注目です。
飯田)「起訴しやすいからまずはここを」というような感じだったのでしょうか?
クラフト)起訴した検事も選挙で選ばれたばかりで、選挙公約とまでは言いませんが、そのような趣旨もあるのだと思います。
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