新型コロナの治療薬「パキロビッド」はどこへ行けば服用できるのか

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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が3月29日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナ治療薬「パキロビッド」について語った。

新型コロナの治療薬「パキロビッド」はどこへ行けば服用できるのか

※画像はイメージです

「パキロビッド」 ~併用禁忌薬のため、服用には制限がある

飯田浩司アナウンサー)新型コロナの重症化予防について、「パキロビッド」という薬の名前を耳にすることがあります。アメリカでは流通が進んでいるようですが、日本の場合はどうでしょうか?

尾﨑)一般の薬とは違い、緊急的に承認している薬なので、一般の薬と同じように扱うことはできません。また、この薬は「併用禁忌薬」であり、飲み合わせに制限があります。パキロビッドの場合、肝臓で薬を分解する酵素を邪魔してしまうので、そこで分解する薬を飲んでいる方は分解できなくなってしまい、薬の濃度が高くなってしまうのです。

飯田)分解できなくなってしまう。

尾﨑)そういう薬を飲んでいる方は飲めません。そういう薬が40種類以上あります。

飯田)そうなのですか。

尾﨑)そのような薬を「飲んでいませんね」と確認した上でなければ、出すことができないのです。ただ、重症化予防効果は8割~9割くらいあると言われますので、効果は期待できます。

5日間の薬代は約10万円 ~現在は公費で負担

飯田)患者さんに「パキロビッドをお願いします」と言われても、簡単に出せるものではないのですね。

尾﨑)そうですね。通常の風邪薬やインフルエンザの薬のように、「これを出して様子を見ましょう」というわけには、まだいかないですね。

飯田)お値段はいくらくらいですか?

尾﨑)5日間飲むとなると、10万円くらいになります。しかし、当分の間は公費で負担することになっています。

飯田)服用したのちの経過も確認する必要があるとなると、経過まで見られる医療機関でなければ出せないということですか?

尾﨑)そうですね。この薬がどのような薬かを熟知した医療機関でなければなりません。その上で予め患者さんの同意書を取り、その後も経過を確認することになりますので、どこでもすぐに出せるわけではありません。

新型コロナの治療薬「パキロビッド」はどこへ行けば服用できるのか

尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

アメリカでは新たなオミクロン株「XBB1.5」が主流に

飯田)新型コロナに関して、これまでに変異株がいろいろ出てきましたが、現状はどうなっていますか?

尾﨑)第8波の際、主流だったのはオミクロン株の「BA.5」でした。それが現状では約30%まで落ちてきています。

飯田)BA.5が。

尾﨑)しかし2月の終わりぐらいになると、アメリカで80%を占める「XBB1.5」という変異株が日本でも増えてきました。今後はこの変異株に注意する必要があります。

飯田)XBB1.5を。

尾﨑)感染力は少し強いようですが、重症化する可能性は少ないようです。いずれにしろ、感染がまた広がる可能性は考えておかなければなりません。

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