新型コロナを簡単に「5類相当」にできない理由

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東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が12月30日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナ感染症との今後の付き合い方について語った。

新型コロナを簡単に「5類相当」にできない理由

※画像はイメージです

新型コロナ感染症の流行は今後、数年は続く

飯田浩司アナウンサー)感染拡大がまだまだ心配な新型コロナについてですが、今後も付き合っていくことになるのでしょうか?

猪口)ある専門家の先生は、「数年付き合うことになる」と言っています。

飯田)この先、数年付き合う。

猪口)5~10年のスパンだと言っている先生もいらっしゃいます。

新型コロナ「2類相当」がいいのか「5類相当」がいいのか

飯田)現在、感染症法上では2類相当の形になっていますが、コロナの法律上の扱いをどうするかという議論が出ています。国の専門家会議のなかでは、オミクロン株の致死率がインフルエンザと変わらないという数字も出てきていますけれど、先生はどう考えていけばいいと思いますか?

猪口)感染症の2類の場合には、隔離の発想がありますが、5類になると症状のない方たちは入院という扱いにならなくなります。インフルエンザの場合、罹ったからと言って、必ず入院するわけではありません。現在、新型コロナの感染患者の場合、我々医療機関は感染していれば、施設などにいる他の方に移してしまう可能性がある方だと、全員、入院で引き取るわけです。

飯田)2類相当の場合は。

猪口)しかし、そういう方たちも5類になれば、診察後は施設なりご自宅で療養してくださいという話になります。

飯田)そうですね。

猪口)我々の立場からすると、医療機関のベッドが空いてくる。救急の患者も受け入れやすくなるので、その意味では、5類相当になることはありがたいのです。

飯田)医療機関としては。

猪口)しかし、一方でいままで入院していたような患者さんたちは、全部自宅でその後の経過をみましょう、施設でみましょうという話になる。すると、感染そのものはもっと拡がる可能性が十分あるのです。

飯田)感染拡大する可能性がある。

猪口)この辺りの兼ね合いが難しいのです。コロナの重症化率がインフルエンザと同等になってきたからと言って、感染者数が増えれば増えるだけ、その数に比例して重症になる絶対数自体は増えますから、簡単に「5類相当がいい」とは言えません。

飯田)なるほど。

猪口)うまくその辺りのコントロールもしっかり考えながら、「2類相当、5類相当」について論じるべきではないでしょうか。インフルエンザの場合には、「ひと冬越えてしまえば感染は収まるでしょう」という感覚があるけれども、コロナの場合には通年で感染が拡がっていますので。

飯田)本当ですよね。夏だって波が来たわけですから。

猪口)いろいろなところでいろいろな事象が起きることを想定し、慎重に考えていただけたらと思います。

新型コロナを簡単に「5類相当」にできない理由

猪口正孝氏、飯田浩司アナウンサー

病気は新型コロナだけではない

飯田)最後にメッセージがありましたら、お願いいたします。

猪口)コロナはなくなりません。社会としてうまい付き合い方ができるように、新しいルールをしっかりとつくっていければと思います。

飯田)病気はコロナだけではありません。いろいろな人を救っていく、その最適化がこれから必要になってきますか?

猪口)循環器疾患が増えているという話も聞きますし、進行がんも増えていると聞きます。感染症もコロナだけではなく、インフルエンザやノロウイルスやRSウイルスなど、いろいろなものがあります。

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