数量政策学者の高橋洋一が4月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。立憲民主党・小西洋之議員の参議院政策審議会長辞任について解説した。
立憲民主党の小西洋之氏、参議院政策審議会長を辞任
立憲民主党の小西洋之参議院議員は4月11日、参議院政策審議会長の辞任を党側に申し入れ、立憲民主党は参院会派の役員会を開いて了承した。小西氏は衆議院の憲法審査会に対し、「毎週開催はサルがやること」などと発言。発言を報じた報道機関に対してツイッターなどで圧力とも取れる投稿を繰り返し、批判を浴びていた。
飯田)「私の不適切な発言で、会派や全国で戦う仲間に迷惑をかけた」と説明したということです。
「元放送政策課課長補佐に喧嘩を売るとはいい度胸だ」 ~記者会見にも出られず、国会でも答弁できない課長補佐
高橋)高市さんには謝らないのですかね。「万死に値する」などと言っていましたが。あと、元役人の私から見て面白かったのは、「元放送政策課課長補佐に喧嘩を売るとはいい度胸だ」とフジテレビなどは言われたのでしょう?
飯田)「オフレコの発言だ」という話でしたが。
高橋)元課長補佐など、全然大したことはないです。
飯田)そうなのですか。
高橋)代表権がないのですよ。記者会見にも出られないし、国会でも答弁できません。
飯田)課長までいけば答弁できるのですか?
高橋)できません。昔なら課長でも国会答弁できたけれど、いまは指定官職以上ですから、審議官以上です。要するに国会で答弁できない人は、省を代表する権利がないということです。
飯田)その意味で代表権という言葉がある。
高橋)実務的にはそうかも知れませんが、「何を言っているのだろう」という感じでした。
圧力とも取れるツイッターでの投稿に批判
飯田)「オフレコの発言を報じるなど何事だ」という話もありましたが、一方で以前には総理秘書官のオフレコ発言などもあった。
高橋)マスコミが報じたでしょう。みんな(意見が)二重で面白いですね。「サル」などと余計なことを言ったので、さすがに最後はマスコミも小西さんの方を批判していました。でも、この人は発言が面白いのですよね。
飯田)面白い。
高橋)「エース官僚による超一級の極秘文書だ」とか、「白旗を上げなさい」など、国会で話す表現が面白いのですよ。「サル」や「万死に値する」とかね。
飯田)昔、そういうCMがありましたよね。「反省だけなら」という。
処分は口頭注意だけの「幹事長注意」
飯田)愛媛県の“ふくさん”さんからメールをいただいています。「小西議員への立憲民主党からの処分が幹事長注意だけでは、有権者は納得しませんからね。およそ1ヵ月にわたって国会は空転してしまったわけですよね、と怒りたくなります」というご意見です。
高橋)自業自得ですね。統一地方選挙でも立憲民主党の人が演説していると、「小西さんはどうなの?」と聞かれることが多かったという話です。立憲はあまり伸びなかったでしょう。
飯田)地方議員の数で見ると前回、4年前の統一地方選と比べて自民党は微減、立憲民主党は微増だと言われますが、与党との差は大きいです。
高橋)維新は伸びましたよね。馬場代表は「小西さんの取り扱いについて、何か委員会をつくった方がいいのではないか」など、言いたい放題でしょう。
飯田)党としての処分は幹事長注意だけでした。
高橋)幹事長注意は「みんなが言うから、注意したことにしておくよ」という感じかも知れません。密室で2人で話すから、わからないですよね。
飯田)内容が公開されるわけではない。
高橋)口頭注意です。
岸田政権の支持率を上げた最大の貢献者は小西洋之議員
飯田)いま国会が開かれている最中で、やって欲しいことはいろいろあるけれども、3月は高市さんの放送法をめぐる行政文書問題に終始してしまった。
高橋)約1ヵ月間も。岸田さんは楽だったと思いますよ。小西さんは本来、前の補佐官である礒崎さんの話をしたかったと思うのです。「安倍政権はこんな圧力を掛けて」と。
飯田)本来は。
高橋)しかし高市さんが急に出てきて、放送法をめぐる4枚の文書内容を「捏造」と言ってしまった。岸田政権にすれば高市さんが引き受けてくれて、弾避けになってくれたわけでしょう。自分のところにはまったく来ないわけです。
飯田)答弁がそこに集中する。
高橋)高市さんは鉄壁ですからね。その間にウクライナに行けて、いい感じになっているではないですか。万が一変な展開になっても、高市さんが全部被ってしまいますから、岸田さんとしては楽だったでしょう。岸田政権の支持率を上げた最大の貢献者は、小西さんだと思いました。
飯田)皮肉にも、結果的にはそうなってしまった。
放送法をめぐる行政文書問題は元総理補佐官の礒崎陽輔氏についてだけでよかった
飯田)確かに80ページ弱のペーパーを見ると、ほとんど当時の総理補佐官だった礒崎陽輔さんの話が中心でした。
高橋)もともと高市さんは蚊帳の外だったのだから、抜いてもよかったのです。
飯田)当時の総務大臣だったので、名前が出てきましたけれども。
高橋)「礒崎さんのことだけやればよかったのに」と思いました。おかげで岸田さんは参議院予算委員会が楽だったと思います。
飯田)年度内に予算も通りました。
高橋)問責決議も出ずに。
飯田)通常であれば参院問責をやって、審議時間を延ばす戦略はありましたものね。
高橋)あれだけ追及したのだから、問責を行わなければ示しがつかないでしょう。でも、問責すらできなかった。
飯田)総理大臣問責はもちろんあるけれど、各大臣の問責もあるから、あそこまで追及したら高市さんの問責を出して。
高橋)それを出せなかったのだから、政治的には完敗ですよ。岸田さんは持っていますね。
飯田)そういう意味では、展開がそのように流れたところもあるわけですね。
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