ウクライナの地対空ミサイルが底をつくか 必要に迫られる「日本の備え」

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地政学・戦略学者の奥山真司が4月11日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「5月にはウクライナ軍の地対空ミサイルが底をつく」と報じた「ニューヨーク・タイムズ」の報道について解説した。

ウクライナの地対空ミサイルが底をつくか 必要に迫られる「日本の備え」

【ウクライナ侵略1年】局地紛争博物館前に展示されているロシア製のミサイルと戦闘機の燃料タンク=2023年2月12日午後、ウクライナ・キーウ 写真提供:産経新聞社

ウクライナの地対空ミサイル、5月に枯渇か

「ニューヨーク・タイムズ」は4月9日、ロシアの自爆型ドローンの迎撃のため、ウクライナ軍が地対空ミサイルを大量に消費しており、5月には主力システムの弾薬が底をつく恐れがあると報じた。

飯田)SNSに流出したアメリカの機密文書や、米当局者の話をもとに伝えたそうです。

アメリカ司法省も捜査に動き出す ~ロシア側からのリークか

奥山)確定ではありませんが、ロシアがハッキングのような形で流出させたのではないかという話も出ています。

飯田)ロシアによるハッキングではないかと。

奥山)アメリカの司法省は、このリークはアメリカの国家安全保障的にも問題だということで、既に捜査に動き出しているというニュースもあります。

飯田)捜査を始めていると。

奥山)おそらく事実なのでしょう。ウクライナ側はこれまで、限定的にですが、ロシアに航空優勢を取らせませんでした。

飯田)ロシア軍に対して。

奥山)それが今回、「実際は弾が足りない」という情報が出てきた。私はこれは真実なのだと思います。このようなリーク文書が出てくると、誰かの意図があるのではないかと言われます。

飯田)そうですよね。

奥山)今回、ロシアが出した情報のなかには、ロシア側の被害が少なく、約1万人しか死んでいないとありますが、イギリスやアメリカの情報機関ではロシア兵は既に20万人くらい死傷者が出ているという話もあり、「かなりロシアの匂いがするな」と見ている部分があります。

日本の自衛隊であれば、ウクライナ軍の1日に使用する弾薬は数時間で消費してしまう数

飯田)実際に大変な数の弾薬を使っているようですね。

奥山)「1日何万発」というレベルで使っています。自衛隊が持っている弾薬であれば、数時間で使い終わってしまうというような世界が繰り返されているのです。弾薬が足りないことは確かなので、「我々も備えなくてはいけない」と常に感じます。

本気で戦える状況にしなければ、相手を抑止することはできない ~日本も備えなければならない

飯田)そのくらいしないと抑止できないということですか?

奥山)抑止というのは「戦える姿勢」を本気で見せる必要があり、また、実際に戦えないと相手を抑止することはできません。本気で戦える状況にしておく。日本にとっても1つの教訓ですが、相手の能力を見くびってはいけません。

飯田)相手の能力を。

奥山)「十分に弾薬がある」ということはあり得ないので、常に足りない可能性を我々は考えなければなりません。これは戦略を考える人間が取るべき態度だと思います。

飯田)そのような裏打ちがないと、言葉の説得力もなくなってくるのですね。

奥山)そうですね。日本も備えなければいけないと改めて思いました。

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