陸自ヘリ事故「2分間の謎」 元統合幕僚長が注視
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元統合幕僚長の河野克俊が4月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。宮古島周辺で消息を絶った陸上自衛隊のヘリコプター事故について解説した。
交信が終わって消息を絶つまでの2分間に何が起きたのか
飯田)宮古島周辺で消息を絶った陸上自衛隊のヘリコプター事故について、「海中で機体の一部など発見か」というニュースが入りました。現場で捜索にあたっている海上自衛隊の艦艇が海中で見つけたということですが、この事故をどうご覧になりましたか?
河野)私としても、原因がわからないのです。報道では、2分前まで管制と正常に交信していたということですので、その2分間に何が起こったのでしょうか。
飯田)2分間に。
河野)報道では、一般の方が撮られた映像も出ていますが、まったく正常な飛行なのです。人的要因と機体的な要因の2つがありますが、どちらも決定的なものがありません。幸いにも機体などが発見されたようですから、フライトレコーダーを回収して原因を徹底的に調査し、再発防止に努めて欲しいと思います。
対中国において緊急時には南西諸島にも展開する役割の第8師団
飯田)機体の一部と、搭乗されていた方々も見つかったのではないかという一報もありました。要救助者の方々をまずは助け出さなければなりません。
河野)階級に人命の重さの違いはありませんが、第8師団長は5000人~6000人を指揮する人です。師団長が行方不明というのは、組織として大きなダメージだと思います。
飯田)第8師団は、南西諸島一帯も担当の区域になるのでしょうか?
河野)基本的には南九州の担当なのですが、いま陸上自衛隊は機動展開を行っています。特に中国が脅威であれば、南西諸島は重要な地域ですので、そこに機動展開するにはいちばん近くのポジションです。非常に重要な配置だったということです。
3月30日に着任したばかりの坂本第8師団長
飯田)そこに動いていくためには、島々の地形などもしっかり把握しておかなければならなかった。
河野)第8師団長は3月30日に新たに着任されましたので、自分の担当する地域を把握したいと思うのは当然のことでしょう。自らの目で見たいということで、今回、ヘリコプターに乗って視察したのだと思います。このような結果になったことはとても残念です。
副師団長や幕僚長は搭乗していない ~危機管理上の問題はない
飯田)階級の高い人に付く形で今回、分屯地のトップも搭乗していたという話があります。「2機に分けた方がリスクコントロールになったのではないか」という指摘もありますが、どうお考えでしょうか?
河野)師団長が視察したいということですから、支える人たちも当然、同行します。今回、危機管理上の問題について言われていますが、ナンバー2の副師団長やナンバー3の幕僚長は熊本にいるはずです。リスク管理はしていたと思いますので、それは問題ないと思います。
原因を冷静に分析するべき
飯田)当初、さまざまな憶測が飛びました。そういったものに対して、各自衛隊OBの方々が「陰謀論的な考えはやめた方がいい」と諌めるようなところがありました。今回の情報の出し方については、どうご覧になりますか?
河野)情報の出し方は、私も含めて原因がわからないので、決定的なコメントはできません。私はSNSをあまり見ないのですが、いろいろな憶測が出ているのだとは思います。しかし、あまり先走ったような陰謀論的な考え方は感心できませんし、冷静に分析するべきだと思います。
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