ジャーナリストの有本香が4月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後の日韓関係の在り方について解説した。
韓国が4年ぶりに日本をホワイト国に加える
韓国で4月24日、輸出手続きを簡略化する優遇国(ホワイト国)に日本を加える「戦略物資輸出入告示」が施行された。
飯田)「日本と韓国のホワイト国をめぐって」という見出しが出ると、「日本の経産省がまた方針転換したのか?」と思いがちですが、そうではなく韓国側の話です。
韓国を日本のホワイト国に戻して欲しいための行為 ~日本にとってはまったく釣り合わない
有本)韓国側が、日本のホワイト国から自分たちが除外されたのを戻して欲しいから、日本を先に戻したということですね。
飯田)我々がやったからそちらもやってくださいよ、と。
有本)でも、全然釣り合っていないと思います。もちろん影響がゼロだと言うつもりはありませんが、日本が韓国のホワイト国リストに復帰したからといって、日本側のメリットはそんなに大きいわけではありません。特に半導体などを自由主義圏でブロックしようとしているではないですか。
飯田)サプライチェーンを。
有本)中国に流れないよう、一種のサプライチェーンを完結させようとしています。そこで一定の影響はあるのですが、明らかに韓国側が待っている部分の方が大きいですよね。
北朝鮮への重要物資流出疑惑についての説明が必要
飯田)これに関しては、重要な物資が北朝鮮に流れているかも知れないという懸念が根本にありました。
有本)2019年の疑惑です。しかも、すぐにホワイト国から外したわけではなく、何度も日本側は韓国側に「きちんと管理してください」と言っているわけです。「もし管理が難しいのであれば、こちらからご指導申し上げましょうか?」と。
飯田)「ノウハウを教えますよ」と。
有本)そんなことまで言っていたのに、素知らぬ顔だった。大量破壊兵器に転用される可能性のある重要物資が、おそらく第三国を経由して北朝鮮に流れていたであろうと。どう考えても、韓国国内で使用するには不相当なぐらい大量に輸入していたわけです。日本としては、「その部分の説明や改善の道筋がはっきりしているのですか?」というところですね。
条件が整っていないのに日本が前のめりになってホワイト国に戻すことはない
飯田)3月の韓国・尹錫悦大統領が来日するタイミングで、「これを見直すのだ」というような報道が盛んにされていました。
有本)経産省の人に聞いたのですが、条件も整っていないのに日本が前のめりになって戻すことはないし、戻すとしても一定の時間が掛かるということです。
飯田)審査して、心配のないものであれば出す。
有本)禁輸しているわけではないですから。所定の手続きで入れているわけです。ホワイト国になっていたときが「特別な待遇」ということですから。
飯田)日本は世界貿易機関(WTO)に加盟しており、国際的なルールに則って自由貿易を行っています。
有本)そうです。取り扱いを注意しないといけないものだから、当然、手続きに沿って進める。でも韓国については、特別に信任して「ホワイト国」に指定し、そういう手続きを取っ払っていたわけです。
安全保障の問題はあるが、それは韓国にとっても大事な問題 ~日本だけがすべてを譲らなければならないということではない
飯田)でも、その信任にあたるかどうかが問題になりました。特に前政権の文在寅政権は北朝鮮と近かった。逆に尹錫悦政権に変わって、「親日・親米政権だから何でもやってあげよう」と急になるのもおかしい。
有本)でも、政治家のなかにもそういう人は多いのですよ。
飯田)そうですか。
有本)「この人もそうだったの?」という感じです。先日会った閣僚経験者も、「いまの政権を大事にしなくてはいけないのだ」というようなことを言っていました。
飯田)安全保障面で考えればそうかも知れないけれど。
有本)何度騙されれば気が済むのだろうと思います。安全保障の問題点は確かにあります。しかし、それは韓国にとっても大事な問題です。日本だけがすべてを譲らないといけないわけではありません。
韓国軍のレーダー照射問題
有本)それから私が大きな問題だと思うのは、レーダー照射ですよ。
飯田)海上自衛隊の哨戒機に対し、韓国側がレーダーを照射した。
有本)「レーダー照射問題について、きちんと説明があったのか」という話です。
飯田)海幕長も苦渋の決断のような形で、「殊更問題にはしないけれども」とおっしゃいました。きちんと調査してもらわないと困りますよね。
有本)ホワイト国リストから外したのも、要するに戦略物資が適切に扱われていなかった。そして日本に対する敵対的行為があった。この2つはきちんと説明してもらわないと国民も納得できません。
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