キャスターの辛坊治郎が5月8日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率は低いとされてきた石川県の能登地方で5日、最大震度6強を観測する地震が発生したことを巡り、「地震学者とマスコミは反省しろ」と苦言を呈した。
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【能登半島で強い地震】倒壊した建物=2023年5月6日午後、石川県珠洲市 写真提供:産経新聞社
2020年12月から群発地震の活動が活発になっていた石川県の能登地方で5日、最大震度6強を観測する地震があった。政府の地震調査委員会は、地下水などの流体が能登地方の地震活動を活発化させたとしながらも、今回の地震との直接的な関係は分からないとしている。
辛坊)「地震学者もマスコミも、いい加減にしろ」と、私はこの番組で何度も申し上げてきました。今回も同じことを申し上げます。
30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」などが、定期的にマスコミで取り上げられています。ところが、今回の最大震度6強の地震があった能登地方は発生確率が0.1%以下の場所でした。ですから、こうした地図を見せられていた能登地方の住民たちは「ここは大丈夫だ」と思っていたはずです。耐震診断など受けようともしてこなかったでしょう。
今回の地震で倒壊した家は昔ながらの日本家屋で、重い瓦が屋根に載っている木造家屋でした。こうした家屋が地震に対して極めて危険だということを、私は阪神大震災でよく分かりました。重い瓦というのは台風被害を防ぐには重要ですが、土台の木造建築が老朽化してくると、地震の際には瓦の重さに耐えられず、ひとたまりもなく潰れてしまいます。
私は阪神大震災を経験しているので、はっきりと言えます。地震は日本全国どこで起きても不思議ではありません。専門家と称する人が発表し、マスコミが大々的に取り上げる予測地図は過去、当たったためしがありません。日本に住んでいる限り、あのような地図を信じず、どこでも地震が起きるということを前提にして、耐震診断を受け耐震補強をしてください。それが、死なないためのコツです。
今回の地震が起きた能登地方も、震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は低いとされてきた場所です。しかし、現実には最大震度6強の地震が起き、家屋の倒壊なども招きました。予測地図を信じていた能登地方の住民は、突然の大きな揺れに見舞われ、「聞いてないよ」といった思いでしょう。これは、地震学者と、その地震学者が作った地図を無批判に報道してきたマスコミの責任でもあると思います。
地震学者やマスコミは予測地図について検証すべきなのに、そうした動きは一切ありません。「少しは反省しろ」と言いたいです。国民の皆さんは、自分の命は自分で守るという意識を持ってください。