日韓雪解けは「対北朝鮮」を見るアメリカの「強いプレッシャー」から
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ジャーナリストの須田慎一郎が5月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。改善されつつある日韓関係の背景について解説した。
G7サミットへの出席を正式発表 ~米バイデン大統領
飯田)アメリカの債務上限の問題によって、外交にも影響が出そうだという話が報道されていました。
須田)G7広島サミットに出席しない可能性があるというニュースが流れたので、外交にも大きく影響するのかなと思います。特に、外交というより岸田政権としても大きなダメージですよね。
飯田)もしアメリカの大統領が来ないということになると。
須田)イチゴの乗っていないショートケーキのようなものになってしまいます。そういう意味では、最も焦ったのは岸田さんではないでしょうか。しかし、バイデンさんが5月18日に来日すると正式に表明されたので、一安心かなと思います。その辺りから考えても、デフォルトはとりあえず回避できた、ということが私なりの解釈です。
グローバルサウスの国々をどう西側陣営に引き寄せるか
飯田)バイデン大統領の外交についてですが、サミットだけでなく、その後もパプアニューギニアなど、いろいろなところを回ります。それだけセットされていたものが崩れた場合、いろいろな意味でのメッセージになってしまいますよね。
須田)いま何が行われているのかと言うと、サミットでも取り上げると思いますが、グローバルサウス……途上国ながら地域的には大きな影響力を持っている国々を回って、彼らを中国・ロシア陣営ではなく、西側陣営にどう引っ張っていくかということです。
飯田)グローバルサウスの国々を。
須田)そのリーダー役として期待されているのがアメリカ大統領なので、その地域へ行くことは非常に大きなメッセージになります。そこに行かないとなると、中国に先手を打たれてしまう可能性もあります。いまは競争になっていますからね。
日韓の雪解けはアメリカによる強いプレッシャーから
飯田)サミットにも、グローバルサウスと呼ばれる国々がやって来ますが、プラスしてG7の招待国のなかには韓国の大統領の名前もあります。韓国と日本の関係がかなり改善し、雪解けという話も報道されていますが、どうご覧になっていますか?
オバマ政権時に計画されていた金正恩氏の斬首作戦
須田)これは明らかにアメリカからの強いプレッシャーだと考えていいと思います。最近、ボブ・ウッドワードさんの『PERIL(ペリル)危機』というノンフィクションを読んで驚いたのですが、オバマ政権のときに金正恩氏に対し、いわゆる斬首作戦をアメリカは計画していたのです。
飯田)斬首作戦。
須田)しかし、作戦の話が出たときに、自衛隊がまったく使いものにならないという経緯があって諦めた、ということが『PERIL(ペリル)危機』のなかに出ていました。もちろん、いろいろな混乱も起きますし。
飯田)周りの国々も含めて対応できるのかなど、そのようなことを考えると……。ボブ・ウッドワード氏と言えば、著名なジャーナリストですよね。
須田)ピューリッツァー賞を受賞しています。
飯田)ウォーターゲート事件をすっぱ抜いた人でもありますよね。その後も各大統領をヒアリングしながら本を書くようなこともされているので、かなり信憑性が高い。
須田)対北朝鮮を考えた場合、日韓が対立していると極めて不安定な状況になります。米軍の展開も著しい制約を受けてしまうことになると思います。
飯田)その先の中国も見据えて、という考えもあるのですね?
須田)中国、あるいは極東ロシアも含めてです。ただ、いちばんの狙いは北朝鮮になると思います。
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