キャスターの辛坊治郎が6月15日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。注目が集まる今国会での内閣不信任決議案の提出と衆院解散の見通しについて、飯田浩司アナウンサーと対談し、「(与党も野党も)『弱腰』『腰抜け』と言われたくなさそうだ」と解説した。
政府が今国会の最重要法案と位置づける防衛費増額の財源確保法案は、15日の参院財政金融委員会で与党の賛成多数で可決された。与党は16日の参院本会議での成立を目指す。また、立憲民主党は14日、泉健太代表や安住淳国対委員長らが内閣不信任決議案を提出する場合の時期などについて検討を進めた。
辛坊)岸田文雄首相としては、内閣不信任決議案を出してほしくないのでしょうか。
飯田アナ)与党の幹部はそろって「不信任案の提出は、解散の大義になる」と言っています。
辛坊)不信任案を出されることが、そんなに嫌なのでしょうか。単なるセレモニーですよ。
飯田アナ)「『不信任案を出されたら、解散だ』と言っていたのに、結局は解散しないんだ」と言われるのが嫌なのかもしれませんね。
辛坊)「腰抜け」と間違いなく言われます。逆に、不信任案を出さなければ、野党が「腰抜け」と言われます。どちらにしても、面倒な話です。
飯田アナ)タイムリミットは16日だといわれていますが、国会の会期延長もあり得ます。ただ、延長した場合でも、「では、解散はいつか」という話になります。
辛坊)いよいよ大詰めという感じです。
飯田アナ)15日に解禁された時事通信社の世論調査(実施は9~12日)をみると、岸田内閣の支持率は35.1%(前月比3.1ポイント減)、政党支持率で自民党は22.4%(同2.0ポイント減)です。
辛坊)両方を足すと57.5%ですね。内閣支持率と政党支持率を足して50%を切ると選挙で負けるとされていますから、なかなか解散できませんが、足して57%ですから、選挙しても勝てるだろうというギリギリのラインです。この数字ですと、おそらく現有勢力は維持できず、議席数を若干減らすと思われます。
問題は、その減り方です。目減りが少なく過半数を獲得できれば、選挙に勝ったといえますから、「岸田首相の続投でいい」という話になるでしょう。しかし、目減りが多いと、「そろそろ交代させたほうがいい」という話になるでしょうね。
いずれにしても、解散に関して今のところの見通しは、この番組に14日のゲストとして出演していただいた政治ジャーナリストの田﨑史郎さんがおっしゃった「今週の解散確率は5%」といった感じだと思います。
飯田アナ)岸田首相の本音を誰も読めないため、皆、ドキドキしているのでしょうね。
辛坊)「弱腰」「腰抜け」と言われたくなさそうです。
編集部注:岸田首相は15日、「今の国会での解散は考えていない」と述べた。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)