ロシア情勢に詳しい筑波大学名誉教授、中村逸郎氏が7月3日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創始者、プリゴジン氏とプーチン大統領の対立を巡り、「危ないのはプーチン大統領のほうだ。暗殺の危険がある」と指摘した。
「プリゴジンの乱」から1週間余りが経過する中 、AP通信などはロシア民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員がベラルーシで大規模再編成する可能性があると報じている。ロシアからの侵攻を受けるウクライナ軍は、「ワグネルのベラルーシへの移動は未確認だ」と表明しているが、今いったい何が起きているのか-。
辛坊)ワグネルの創始者であるプリゴジン氏の今後の運命は、どうなるのでしょうか。
中村)プリゴジン氏の身は、ベラルーシ国家が守っていくことになります。そして、ベラルーシが名実ともにロシアから独立するために、プリゴジン氏をルカシェンコ大統領が使っていくことになります。それと同時に、最強軍団のワグネルがロシアから撤退したことにより、ウクライナがロシアに奪われた領土を取り返していく流れが進むと思います。
辛坊)ルカシェンコ大統領はプリゴジン氏の安全を保証するとしています。仮に、ロシアの治安機関「連邦保安局(FSB)」が本気になれば、ベラルーシ国内でプリゴジン氏を暗殺することは可能なのでしょうか。
中村)無理です。なぜかというと、FSBのボルトニコフ長官は、今回のプリゴジンの反乱に際し、解決策としてプリゴジン氏とワグネルをベラルーシに渡そうと動いた人物の1人だからです。ウクライナとの戦争でロシアは勝てないということをよく分かっているのも、ボルトニコフ長官です。ですから 、ボルトニコフ長官はプーチン大統領と距離感を保ってきています。むしろ今、危ないのはプリゴジン氏ではなく、プーチン大統領のほうです。プーチン大統領は暗殺される危険があります。
辛坊)身内に殺される恐れがあるということですね。
中村)そういうことです。プリゴジン氏は今、やりたい放題です。戦地から引き揚げたことによって、自由になった感じがあります。
辛坊)そうすると、プーチン大統領は今後、どうなりそうでしょうか。
中村)最も考えられるシナリオは、このままだと急に消えてしまいそうですね。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)