岸田総理はいまこそ「中国を非難するべき」 中国艦船がフィリピン船に放水

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地政学・戦略学者の奥山真司が8月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国海警局がフィリピンの沿岸警備隊に行った妨害活動について解説した。

岸田総理はいまこそ「中国を非難するべき」 中国艦船がフィリピン船に放水

フィリピンの船に向けて放水する中国船[比沿岸警備隊が6日公開]=2023年8月6日  AFP=時事 写真提供:時事通信 AFP PHOTO / PHILIPPINE COAST GUARD (PCG)

中国海警局の船がフィリピンの沿岸警備隊に放水 ~中国側は正当な行為だと主張

フィリピン当局は、フィリピンが実効支配している南シナ海のアユンギン礁に食料や燃料などを輸送していた軍のチャーター船などが8月5日、南シナ海航行中に中国海警局の船から放水などの行為を受けたとして、中国側を非難した。これに対し、中国海警局は7日に声明を発表。「フィリピン側が再三の警告にも関わらず、無理矢理、2隻の船をアユンギン礁に進入させようとした。衝突を避けるために放水を行った」と反論した。アユンギン礁をめぐっては中国とフィリピンが領有権をめぐり争っている。

飯田)そもそも、ここはフィリピンのものだったはずです。国際司法裁も「九段線」に関しては認められないと判断しています。

フィリピンの次はマレーシア、韓国、そして日本の順番で狙う中国

奥山)中国側がフィリピン側に対し、国際法の状況を変えるために実力行使に出てきたのは、ショッキングな出来事です。

飯田)全体が主権の行使にあたりますものね。

奥山)フィリピンの次はおそらくマレーシア、韓国ときて、最後に日本がこのような被害に遭う。そしてアメリカという順番があることを、我々はここで考えなくてはいけないと思います。

飯田)順番がある。

奥山)疲れが出ると、自分の体のいちばん弱いところに症状が出るではないですか。中国も同じように、いちばん弱いところから浸透していくのではないかと思うのです。

飯田)その上、フィリピンは政権が代わって、少し中国に対して厳しくなっているから。

「法の支配に基づく国際秩序を守ることの重要性」を語る岸田総理は中国を非難するべき ~弱いフィリピンは国際法に頼るしかない

奥山)弱い国は力がないので、フィリピンは国際法に頼るしかありません。それに対して今回、岸田政権は中国を非難するべきだと思うのです。

飯田)まさに国際法、「法の支配」をあれだけ声高にサミット前は訴えかけ、外遊先の各国でも示してきました。いまこそ言うべきですか?

奥山)「いまこそ」です。メディアの方には定例会見がたくさんありますので。

飯田)総理はともかく、官房長官は毎日のように会見を行っています。

奥山)松野官房長官に対して、「この件に関してはいかがでしょうか?」と一言添えると、松野さんとしては言わなくてはいけない。ここで厳しく中国を非難し、「国際法を守らなくてはいけない」と言っていただくことが……。

飯田)日本政府のスポークスマンですものね。

戦略的にも中国を非難するべき

奥山)「国際法を守る」というメッセージがなぜ重要かと言うと、アメリカは必ずそれに対して、民主主義や価値観について言い、東南アジアに嫌われるところがあるのですが、日本は民主主義の価値観はさておき、まずは「国際的な法の秩序でしょう」と言うところに日本の強みがあるのです。

飯田)そうですね。

奥山)その強みを活かすべきです。どこのメディアの方でもいいので、ぜひフィリピンの話題を出し、「沿岸警備隊に放水した中国は許さないと言うべきではないか」と。「日本の立場を教えてください」と質問していただきたい。戦略的にも中国を非難するべきだと思います。

いまこそ「国際秩序を乱すような行為を許さない、国際法を守ろう」というメッセージを出す絶好のチャンス

飯田)しかも、8月6日に広島原爆の日があり、明日(8月9日)は長崎原爆の日です。メッセージを出すにはいいタイミングです。

奥山)「国際秩序を乱すような行為を許さない。国際法を守りましょう」というメッセージを出すいいチャンスだと思います。ぜひ、どなたか政府に対していい質問をしていただければと思います。

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