映画だけじゃなく日常生活でも起こる!? それぞれの視点で見解が変わる『羅生門エフェクト』

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映画パーソナリティ・コトブキツカサがパーソナリティを務めるニッポン放送のインターネットラジオ番組「コトブキツカサのオールナイトニッポンi」(第306回)が更新。それぞれの視点でまったく見解が変わってしまう事象について語った。

映画『羅生門』 昭和25年の劇場公開時のポスター

映画『羅生門』 昭和25年の劇場公開時のポスター

今回は番組冒頭で、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した是枝裕和監督の最新映画「怪物」の話題をキッカケに世界の映画界で共通語となっている「羅生門エフェクト」の話題に。

コトブキは「『羅生門エフェクト』または『羅生門スタイル』は、黒澤明監督の映画『羅生門』で使われて広まった演出。ざっくり言うと一つの出来事でもそれを見る視点が変わると捉え方や印象、見解が変わってくるというものです。映画界では世界的な共通語として使われています」と解説。その上で自身が体験した「モヤモヤした2つのエピソード」について語った。

「1つは約10年前。恵比寿でとある先輩との飲み会をしたんですが、その会が終わった後、別の後輩と2人で別のお蕎麦屋さんに移動したんです。ここでは奢ろうと思って『なんでも好きなものを頼んでいいよ』と勧めたんですが、その子が注文したのは一番安いかけそばでした」

その時は、特に気にしなかったものの、別の人物からこの時のことについて聞かれ驚愕したという。

「彼が言うには、その後輩は『飲み会終わりにコトブキさんに強引に2次会へ連れていかれた。しかも、かけそばしか奢ってくれなかった』と周りに話していたそうなんです。そんなつもりはなかったのでショックでした」

また、同様の体験としてはこう語る。

「自分用に買ったものの、サイズが合っていなかったシャツが数枚あったので、後輩にあげようとした時のことです。僕が『これ着てよ』と渡そうとするとその後輩は『いや、いらないです。服はいっぱいあるんで……』と受け取りを拒否。当時は『わざわざ断る必要ある?』と思ってモヤモヤしてしまいました」

しかし、後になって“羅生門エフェクト”の観点から考えると反省する部分があったと振り返る。

「まず、先輩と後輩という点で感じ方が違うというのもあります。そして飲み会のあとにお蕎麦屋さんに誘った件についてですが、僕はお腹が空いていたものの、その後輩はすでに満腹だった可能性もある。あと次の日の予定があって早く帰りたかったから簡単なメニューにしたのかもしれません。『かけそばしか奢ってくれなかった』と言ったことについては、その場のノリだったとも理解できます。

洋服をあげようとした時のことですが、ちょっと高めのブランド品で新品同様だったので『これ、結構いいやつだから』みたいなことも言っていた気がするんですよね。それが押しつけがましく感じたのかもしれない。欲しいとも言ってない洋服をいきなり渡されてしかも恩を売るような感じ……向こうとしては気分が悪いですよね」

それぞれの視点で見ると、全く違う解釈になると語るコトブキだが、少し後悔している部分もあるという。

「実は、洋服のエピソードに関しては『この話、ラジオで喋ってもいい?』って聞いちゃったんですよね。自分が要らないものを一方的に後輩に押し付けようとして、受け取りを拒否されたらラジオのネタにしようとする……。(客観的な視点で見ると)これ、かなり面倒な先輩ですよね(笑)」とラジオパーソナリティとしての悲しい性を反省した。

「コトブキツカサのオールナイトニッポンi」は「ニッポン放送 PODCAST STATION」公式サイト、その他の配信サービスで聞くことができる。

番組情報

コトブキツカサのオールナイトニッポンi

毎週木曜日に最新話を配信

番組HP

映画パーソナリティのコトブキツカサがお送りするWebラジオ番組

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