キャスターの辛坊治郎が10月11日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎　ズーム　そこまで言うか！」に出演。埼玉県議会最大会派の自民党県議団が9月議会に提出しながらも、10日に取り下げることを発表した虐待禁止条例改正案について、「埼玉県議の年間報酬は約1600万円以上。それだけもらっておきながら、政治家の責務をはき違えている」と苦言を呈した。

「虐待禁止条例」の改正案を撤回する方針を表明し、記者会見で頭を下げる自民党議員団の田村琢実団長＝2023年10月10日午後、埼玉県議会　写真提供：産経新聞社

埼玉県議会に提出されていた子供を自宅などに放置することを虐待と定める条例の改正案について、自民党県議団は10日、改正案を取り下げると表明した。改正案を巡っては、「対応できない家庭が多い」などと交流サイト（SNS）で問題となっていた。

辛坊）海外では、子供だけで留守番をさせておくと、親が逮捕されるという話をよく聞きます。埼玉県議会の自民党県議団が今回、議会に提出した条例案では、例えば小学3年以下の子供だけで登下校させたり、公園で遊ばせたり、おつかいをさせたりしてはいけないという内容です。しかし、アメリカなどでは、登下校の危険を避けるためにスクールバスが使われ、そもそも親が登下校に付き添うことはありません。日本でスクールバスを運用しているところが、どれだけありますか。

日本は、子供が1人で街を歩ける治安の良さが売りの国だったはずです。政治家の責務としては、子供が1人で歩ける安全安心な街をつくるほうが役目ですよ。

ちなみに、埼玉県議の報酬を調べてみました。高いだろうとは思っていましたが、驚きました。役職付きではない一般の埼玉県議の報酬でさえ、月額92万7000円、年間ボーナスが483万8940円で、合計支給額は年間1596万2940円。年収約1600万円ですよ。議長などの役職が付けば、それ以上の報酬になります。

地方議会では埼玉県議会のように、民間企業に勤めるよりもかなり高い報酬をもらえます。このため、地方議員という職業がファミリービジネスになってしまっているんです。親から子、子から孫というふうに、地盤を受け継いだ世襲議員が次々と誕生しています。

確かに、村議会のように例えば月収20万円など報酬が低いため、なり手がおらず困っている小さな自治体もあります。ところが、大都市やその近郊の地方議員の報酬はお手盛りですから、軒並み年収1000万円を超えています。埼玉県議も年収約1600万円です。そんなにもらっておいて、今回の条例案は何ですか。仕事の方向性を間違っています。子供が安心して歩ける街、遊べる公園をつくるのが仕事でしょ。