経済アナリストのジョセフ・クラフトが10月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。公明党が政府への提言に所得税の減税とともに盛り込むことを決めた低所得者世帯への現金給付について解説した。

2023年10月5日、挨拶をする岸田総理～出典：首相官邸HPより（https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202310/05rengou.html）

公明党、所得税減税と現金給付提言へ　～公明党の急いでいる感のある提言は解散を意識してのことか

公明党は10月11日朝、政府に提出する提言に、所得税の減税とともに低所得者世帯への現金給付を盛り込む方針を決めた。公明党は今後、給付の額や所得税の減税の対象に所得制限を設けるかどうかなどを調整し、17日に政府に提言を提出する予定。

飯田）ある意味、給付付きの税額控除のような。

クラフト）公明党は基本的に、給付に関しては「所得制限を設けず全員に配る」という方針だったと思うのですが、今回は最初から「所得制限を設ける」という話が出ており、自民党との擦り合わせがあったのかも知れません。

飯田）給付の額や、所得税の減税の対象に所得制限を設けるかどうかを調整するとしています。

クラフト）自民党内では「所得制限を設ける」という思いが強いので、ある程度、見解を合わせてきたのではないでしょうか。公明党が急にこういうことを言い出したのは、解散を意識している可能性があります。

解散は経済対策発表後の11月頭か　～投開票は11月26日か12月3日の可能性も

飯田）20日には臨時国会が召集される予定ですので、いつ解散が起きてもおかしくはない。

クラフト）私の理解だと、20日に召集しての解散はないのではないかと思います。

飯田）冒頭解散はない。

クラフト）また、予算成立後の解散も選挙では不利になります。

飯田）補正予算の成立後ということでしょうか？

クラフト）予算の中身がわかると、それに対していろいろな反対意見が出ますので、解散するとすれば、経済対策を発表する10月末のあと、11月頭に解散するのではないでしょうか。

飯田）11月に入ってすぐに。

クラフト）そうすると、投開票は11月26日辺りではないかと思います。ずれ込んでも12月3日。やるかどうかはわかりませんが、解散するとすれば、その辺りが濃厚ではないかと個人的に推測しています。

飯田）11月26日は六曜で見ると大安です。六曜も気にすると言いますからね。

クラフト）そもそも6月に盛り上がったのですが、あのときはいろいろな対策を出さなければいけなかった。今回の経済対策で大きな対策が出るので、そこが1つのチャンスだと思います。

旧統一教会の解散命令も支持率を上げる要素に　～APECが開催される前の11月5～6日が空いている

クラフト）もう1つ、12日に文化庁が旧統一教会の解散命令請求に向けて、宗教法人審議会を開きます。

飯田）承認されれば正式決定して、13日にも東京地裁に請求する方針です。

クラフト）これも国民の支持を得られますので、それと経済対策を合わせて解散する可能性はあるのではないかと思います。

飯田）そうなると、スケジュールがぴったり合ってしまいますね。

クラフト）外交スケジュールにおいても11月にAPECがありますが、その直前、11月5～6日のスケジュールが空いており、ここも1つのチャンスだと思います。あるいは10月の最終週。この辺りのスケジュールに少し空きがあるので、「怪しいな」と勝手に思ってしまいますね。

自民党内の情勢調査の結果を見て岸田総理が判断

飯田）「外交日程があるから解散は打てないのではないか」と思いますが、「選挙中は報道が少なくなるから外交に出た方がいい」と言う関係者もいます。

クラフト）そういう見方もありますね。ただ、官邸は外交スケジュールを意識しながら「やるか、やらないか」を判断するのでしょう。また、自民党内では選挙の調査……。

飯田）情勢調査ですか？

クラフト）そうですね。その結果を見て判断するのではないでしょうか。結果が揃うのは来週、あるいは遅くても再来週なので、それを見て総理が決めていくのかも知れません。こればかりは総理にしかわかりませんが、個人的にはそう推測しています。

飯田）しかもその辺りの材料として、いま衆議院と参議院の補欠選挙が行われている最中なので、この結果も……。

クラフト）私が聞いた話だと、苦戦しているような印象を受けています。おっしゃる通り、その辺りの結果も重要だと思います。

飯田）臨時国会は20日召集の予定ですが、雰囲気としては「ソワソワしている」感じですよね。