キャスターの辛坊治郎が11月30日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。国民民主党の前原誠司代表代行が同日、離党したうえで新党を結成することを明らかにしたことを巡り、「背景には政党交付金と憲法改正がある」と指摘した。
国民民主党の前原誠司代表代行は30日、離党したうえで新党「教育無償化を実現する会」を結成すると発表した。前原氏は自民党寄りの党運営を進める玉木雄一郎代表に反発。今年9月の党の代表戦で「非自民、非共産勢力の結集」を訴え、日本維新の会などとの連携強化を目指したが、玉木氏に大差で敗れた。新党結成について、日本維新の会の馬場伸幸代表は連携に意欲を示している。
辛坊)この時期には新党の結成が増える傾向にあります。政党交付金の基準日が1月1日だからです。政党交付金は今や、政党の運営に欠かせないお金です。国会議員が1人いるだけで億単位のお金ですからね。
新党と認められるためには要件があります。5人以上の国会議員が所属していることが1つの条件です。もう1つは、国会議員がたとえ1人でも直近の選挙で2%以上の得票があることですが、新たにつくる政党の場合には直近の選挙の実績がありません。ですから、新党をつくって政党交付金を得ようと思えば、5人以上の国会議員が所属していることが最低条件です。今回の“前原新党”はクリアしています。
一方で、岸田文雄政権には国民民主党を取り込みたいという思惑があります。近い将来に本気で憲法改正をしようと思えば、公明党はまず間違いなくついてこないだろうと考えているからです。公明抜きで自民党が政権を維持しながら憲法を改正するためには、公明に代わる議席数が必要です。それが国民民主と日本維新の会です。これで何とか衆院、参院のそれぞれ3分の2の賛成票を得られると考えているはずです。前原氏にしてみれば、「俺たちは野党だ。(玉木氏らは)そんなに大臣になりたいのか」という思いでしょうね。
要するに、政党交付金の基準日である1月1日が近づいてきたことと、憲法改正を目指す自民が国民に接近していることが、前原氏がこのタイミングで離党し、新党を結成するという動きにつながったのでしょう。
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辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)