埼玉医科大の産婦人科医で全国の小中高校で性教育の講演を行っている高橋幸子氏が12月5日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。11月28日、医師の処方箋なしでの試験販売が始まった緊急避妊薬について、「18歳未満の購入には厳しいハードルがある」と解説した。
11月28日、処方箋なしでの緊急避妊薬の試験販売が始まった。緊急避妊薬は全国145カ所の薬局で販売。それまでの日本のルールでは、性犯罪被害者を含む女性は診療所や病院に行かないと緊急避妊薬を手に入れられなかった。一方で、権利擁護団体からは試験販売の規模が小さすぎると批判が出ており、制限の撤廃を求める声が上がっている。
高橋)緊急避妊薬の試験販売では、研究への参加に同意する16歳以上が購入可能で、18歳未満は保護者の同伴と同意が必要です。
辛坊)保護者には、なかなか相談しにくいですよね。
高橋)高校生は親だけには妊娠したことを言えないという世代です。保護者の同伴、同意はなかなか厳しいハードルですね。
辛坊)18歳以上の購入は、どうなのでしょうか。
高橋)7000~9000円ほどのお金はかかりますが、本人が購入することはできます。
辛坊)それなりに高額ですね。
高橋)これまでも病院を受診すると7000~2万円が相場でした。しかし、今回の試験販売では薬局での販売で7000~9000円程度に設定することになっています。
辛坊)薬の有効性は、どの程度あるのでしょうか。
高橋)早く飲めば効果が高いです。性行後24時間以内であれば95%、24時間を超えて48時間以内であれば85%、そして48時間を超えて72時間以内であれば58%の効果があるとされています。
辛坊)購入して飲む人は多くの場合、「念のため」ということになるのでしょうね。
高橋)そうだと思います。排卵日は妊娠の可能性が高いですから、緊急避妊薬を飲んだとしても2%ほど妊娠に至っているというデータもあります。
辛坊)緊急避妊薬は、どういう仕組みで妊娠しにくくなるのでしょうか。
高橋)排卵がこれから起こるという時期に、排卵を1週間ほど遅らせるという機序が1つです。もう1つの機序は、子宮内膜をあらかじめ崩しておき、着床しにくくするといわれています。
番組情報
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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)