旧統一教会の救済法案 「申し出たときに本当に救済してくれるのか」が最大のポイント

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政策アナリストの石川和男が12月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。旧統一教会の被害者救済法案について解説した。

会見が行われる世界平和統一家庭連合本部=2023年11月7日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

会見が行われる世界平和統一家庭連合本部=2023年11月7日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

旧統一教会の被害者救済法案、12月7日に参議院で審議入り

参院法務委員会は12月6日、理事懇談会を開き、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済を図る特例法案を12月7日に審議入りすることを決めた。特例法案は自民・公明・国民民主の3党が提出。解散命令前の財産流出を防ぐために監視を強化する他、被害者への支援を手厚くし、民事保全手続きや訴訟をしやすくする。

飯田)12月5日に衆院を通過しました。

「救済を申し出たとき本当に救済してくれるのか」が最大のポイントに

石川)今回は旧統一教会の話ですが、例えば災害時に「被災者の方を救済しよう」となった際、よく問題になるのは、法律自体の趣旨はいいのですが、実施したとき「本当の救済対象が誰なのか」ということです。今回も「自分が申し出たとき、本当に救済してくれるのか」というところが最大のポイントになると思います。

飯田)本当に救済してくれるのか。

石川)いろいろな議論があるけれど、法律自体はできており、そのルールのなかで被害者あるいはその対象になる人たちが、金銭面も含めて救済の道に行くでしょう。しかし、まだスタートラインの手前にいるので、実際にきちんと運用しなければ法の趣旨が活かされません。

「なぜ旧統一教会の被害者だけ救済されるのか」という声も

石川)この法律をつくるとき、とても苦労したと思います。信教の自由があるので、「あなたの自由で入ったのでしょう」と言われることもある。つまり、これは詐欺に遭ったような状況なのですが、では「詐欺被害に遭った人を国が今回のように法律をつくって救済するか?」と言うと、まだそのような法律はありません。「それは個別にやってください」となるので、「なぜ、これだけ特別に行うのか」という議論がある。でも日本人は忘れやすいから、そういう議論を忘れてしまって、「なぜ、お前だけが救済されるのだ」というような文句が言われ続ける可能性もあります。そういう点でも「尾を引く話だな」と思います。

災害の場合も、慎重に審査するので救済に時間が掛かってしまう

石川)例えば台風や震災で被害があり、救済しようとなった際に、お金を用意するではないですか。しかし、申請した人全員が対象になるわけではありません。

飯田)そうなのですね。

石川)被災者ではないのに被災者のふりをして申請する人もいるので、慎重に審査するのです。すると、本当に救済が必要な人も慎重に審査されてしまうので、救済が遅れてしまう。行政の現場での解決手段は、なかなか難しいのです。

司法の場で定着するのには時間が掛かる

石川)おそらく今回の国会審議のなかでも、そういう細かいところまでいろいろ扱っているのでしょうが、司法の場は国会や行政と違うではないですか。だから、こういうものが司法の場で定着するには時間が掛かると思います。本当に救済される必要のある人が、迅速に救済されるべきだとは思いますが。

飯田)運用方法によってもスピード感は変わってきますし、政治的な問題もありますからね。

石川)人間が審査するので、前向きな審査官の場合は早く救済されるでしょうが、そうではない場合もあるので、本当に注意すべきですね。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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