キャスターの辛坊治郎が12月12日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。10日に行われた香港区議会(地方議会)選で直接投票枠の投票率が過去最低の27.5%にとどまったことを巡り、「全世界に香港民主派の抵抗を示した」と解説した。
辛坊)10日に行われた香港区議会選の投票率は過去最低となりました。香港の統治者は中国共産党からかなり怒られると思いますよ。世界的な恥さらしですからね。
過去最低の投票率ということは、大量の投票ボイコットが出たということです。立候補者は中国共産党の息のかかった人ばかりでした。ですから、台湾の民主化を取り戻したいと考えている人は選びようがなく、「投票に行こう」という意欲は湧きませんでした。そこで、唯一できる手段として投票に行かない棄権という手段をとったわけです。日本では「選挙を棄権してはいけない」とよく言われますが、こうなると棄権も1つの意思表示のあり方なのだという気がします。
独裁政権の多くの国の選挙では投票率が100%近くになります。投票率100%近くで1票も反対票が入らないのでは、そもそも選挙ではありません。独裁政権下で投票率が100%に限りなく近づく理由は、投票に行かないこと自体が「反政府」と見なされ、秘密警察に命を奪われるかもしれないという恐怖心が人々にあるからです。とりあえず、言われた通り穏便に投票しておこうという心理になるわけですね。
ところが、今回の香港区議選では投票率が過去最低でした。最後に民主的な選挙が行われた前回2019年区議選の投票率は70%を超えています。ですから、今回は多くのボイコットが行われたというふうに考えるべきで、全世界に香港民主派の抵抗を示したといえます。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)