台湾総統選 親米・民進党政権が継続した場合の中国の「リアクション」

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双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦が12月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2024年の国際情勢について解説した。

中国の習近平国家主席=2022年10月、北京の人民大会堂(共同) 写真提供:共同通信社

中国の習近平国家主席=2022年10月、北京の人民大会堂(共同) 写真提供:共同通信社

2024年の国際情勢を展望する

飯田)2024年の国際情勢の展望ですが、来年はどんな年になるとお考えですか?

吉崎)世界の2ヵ所で戦争が行われている状態で年を越すというのは、何とも心が重たいですね。しかも、ロシアによるウクライナ侵攻は2022年2月24日から続いているわけです。

飯田)まもなく2年が経過します。

3つ目の戦争をつくってはいけない

吉崎)2024年で大事なことは、3つ目の戦争をつくらないということです。もし、3つ目が我々に近いインド太平洋地域などで起こった場合、厄介極まりない。これが最も大きなテーマではないでしょうか。

飯田)1つ目がウクライナで、2つ目はガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマス……。

吉崎)そもそも、なぜ10月7日のハマスの奇襲攻撃があんなに上手くいったのか、よくわかりません。数千発のミサイルをガザ地区にどうやって持ち込んだのか。また、あのモサド(イスラエルの対外情報機関)がなぜそれに気付かなかったのかなど、考え出すときりがないのですが、すぐ近くで戦争が行われているという状態が、まず普通ではないと思います。

第二次世界大戦のきっかけとなったポーランド侵攻の2年3ヵ月後に日本は真珠湾を攻撃

吉崎)あまり考えたくない話ですが、第二次世界大戦は、1939年9月のポーランド侵攻がきっかけでした。当時、ナチス・ドイツとスターリンのソ連が、間にあるポーランドを勝手に占領し、分割してしまった。その時点では、第二次世界大戦になるなどと誰も思っていませんでした。まだ日独伊三国同盟もなかったわけです。日本は平沼騏一郎内閣で、「欧州情勢は複雑怪奇」と言っていたくらいでした。ところが、それから2年3ヵ月後の1941年12月、真珠湾を攻撃したのです。

飯田)その間、たった2年なのですね。

台湾与党、民主進歩党の党大会に出席した蔡英文総統(前列左)と頼清徳副総統(同右)=2023年7月16日、台北(共同) 写真提供:共同通信社

台湾与党、民主進歩党の党大会に出席した蔡英文総統(前列左)と頼清徳副総統(同右)=2023年7月16日、台北(共同) 写真提供:共同通信社

民進党の頼清徳氏になったとき、中国はどんなリアクションをするのか

吉崎)ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年2月24日に2年3ヵ月を足すと、2024年5月なのですが、その時期には新しい台湾総統の就任式があります。

飯田)総統選挙は1月ですが、就任式は5月。

吉崎)現在、台湾総統選はかなりの僅差ですが、台湾はこれまで常に2期8年で交代が続いてきているわけです。もし民進党の頼清徳さんが当選して、民進党が3期目に入った場合、中国がどういうリアクションをするのか気になります。

ジョンソン米下院議長が台湾総統の就任式に出席したら、中国はどう出るか

飯田)アメリカ大統領選が本格化するのは、春先の時期からですか?

吉崎)そうですね。新しいマイク・ジョンソン下院議長が、「台湾総統の就任式に出る」と言い出す可能性もあります。

飯田)ペロシさんも下院議長として台湾に行ったことですし。

吉崎)マッカーシーさんのときは、蔡英文さんが「迷惑だから」と言って、自分からアメリカに行ったのです。そう考えると、後任もやはり「行く」と言うのではないでしょうか。

飯田)それを中国側はどう見るのか。

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