次期戦闘機の共同開発 日本が第三国輸出できなければどうなるのか

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二松学舎大学国際政治経済学部・准教授の合六強が3月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。次期戦闘機の第三国への輸出について解説した。

防衛や危機管理に関する国際総合見本市「DSEI Japan」が開幕した。日英伊で共同開発する次期戦闘機の模型を確認する井筒俊司空幕長(右)=2023年3月15日、幕張メッセ 写真提供:産経新聞社

防衛や危機管理に関する国際総合見本市「DSEI Japan」が開幕した。日英伊で共同開発する次期戦闘機の模型を確認する井筒俊司空幕長(右)=2023年3月15日、幕張メッセ 写真提供:産経新聞社

次期戦闘機の第三国輸出、3月も自公で協議継続へ

飯田)他国と共同開発する防衛装備品に関し、第三国への輸出を認めるかどうかについて、自民・公明両党は3月以降も協議を継続することになりました。次期戦闘機をめぐる話のなかで出てきたものですが、本当は2月末がリミットでしたよね。

合六)次期戦闘機は2035年ごろの配備を目指しています。安全保障環境が厳しくなっていると言われますが、10年後も厳しいことは間違いありません。相手はイギリスとイタリアという、これまでになかったヨーロッパ諸国との共同開発です。その上で共同の国際機関をつくるのですが、開発する戦闘機のどの部分を、どの国が担当するかなど、これから細かいところを詰めていきます。その協議が3月ぐらいから始まるので、政府としては2月末までに第三国への輸出を認められるようにしたかった。しかし反対もあり、合意できていない状況です。

日本が輸出できなければ全体のパイが小さくなり、コストが当初より増えてしまう

飯田)認められないとなると、ビジネスとして成り立たなくなるのですか?

合六)基本的に、イギリスやイタリアは第三国へ完成品を輸出できますが、日本が「輸出できない」となった場合、イギリス・イタリアの工場で何か問題があったとき、「代わりに同じものを日本から出してくれ」と頼んでも日本は「出せない」という状態になります。さらに、そもそも最初の時点で輸出するつもりがない場合、パイが小さくなる問題もあるので、「コストが当初より増えるかも知れない」というリスクがあります。3ヵ国の共同開発では、どこを取るかに関しても国益が掛かっているので、交渉を有利に進めるためにも、同じ条件・対等な関係で話を進めることが重要です。

飯田)協議は3月に持ち越されますが、この先、どこで折り合いをつけるのでしょうか。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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