次期戦闘機の共同開発 日本が第三国輸出できなければどうなるのか
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二松学舎大学国際政治経済学部・准教授の合六強が3月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。次期戦闘機の第三国への輸出について解説した。
次期戦闘機の第三国輸出、3月も自公で協議継続へ
飯田)他国と共同開発する防衛装備品に関し、第三国への輸出を認めるかどうかについて、自民・公明両党は3月以降も協議を継続することになりました。次期戦闘機をめぐる話のなかで出てきたものですが、本当は2月末がリミットでしたよね。
合六)次期戦闘機は2035年ごろの配備を目指しています。安全保障環境が厳しくなっていると言われますが、10年後も厳しいことは間違いありません。相手はイギリスとイタリアという、これまでになかったヨーロッパ諸国との共同開発です。その上で共同の国際機関をつくるのですが、開発する戦闘機のどの部分を、どの国が担当するかなど、これから細かいところを詰めていきます。その協議が3月ぐらいから始まるので、政府としては2月末までに第三国への輸出を認められるようにしたかった。しかし反対もあり、合意できていない状況です。
日本が輸出できなければ全体のパイが小さくなり、コストが当初より増えてしまう
飯田)認められないとなると、ビジネスとして成り立たなくなるのですか?
合六)基本的に、イギリスやイタリアは第三国へ完成品を輸出できますが、日本が「輸出できない」となった場合、イギリス・イタリアの工場で何か問題があったとき、「代わりに同じものを日本から出してくれ」と頼んでも日本は「出せない」という状態になります。さらに、そもそも最初の時点で輸出するつもりがない場合、パイが小さくなる問題もあるので、「コストが当初より増えるかも知れない」というリスクがあります。3ヵ国の共同開発では、どこを取るかに関しても国益が掛かっているので、交渉を有利に進めるためにも、同じ条件・対等な関係で話を進めることが重要です。
飯田)協議は3月に持ち越されますが、この先、どこで折り合いをつけるのでしょうか。
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