ナワリヌイ氏の葬儀への参列を許したプーチン大統領の「思惑」
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ジャーナリストの須田慎一郎が3月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。数千人が参列したナワリヌイ氏の葬儀について解説した。
ロシア反体制派の指導者ナワリヌイ氏の葬儀に数千人が参列
ロシア・プーチン政権への批判を続け、2月に刑務所で死亡した反体制派の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の葬儀が3月1日、首都モスクワで営まれた。葬儀には数千人が参列し、翌日の2日にも支持者が多く訪れ、花を手向けた。
飯田)ロシア各地で100人以上が拘束されたのではないかという情報もあります。
須田)ロシア政権が、よく葬儀を容認したなと思います。やはりロシア大統領選挙を控えているなかで、一定のガス抜きを行う意図があったのかも知れません。反体制派に対しても「容認している」と示した上で、プーチン大統領の圧倒的な勝利を演出したいのでしょう。
とりあえず持ち堪えたプーチン体制
飯田)ウクライナ侵略が続いており、兵士もかなり亡くなっています。プーチン大統領にとっても苦しい状況なのでしょうか?
須田)苦しいのですが、いろいろと抜け穴があり、何とかロシア経済は持ち堪えている。戦況を見ても、大方の軍事専門家の間では、去年(2023年)暮れからのウクライナの反転攻勢は失敗だったということが共通認識になっており、「プーチン体制はとりあえず持ち堪えた」という状況ではないでしょうか。
トランプ氏再選となれば「レジームチェンジ」の状況に
飯田)プーチン大統領の再選が言われていますが、今年(2024年)は世界的にも選挙イヤーです。アメリカでトランプ氏が返り咲くことになれば、またいろいろなことが変わってきますか?
須田)トランプさんが大統領になれば、ある種のレジームチェンジのような状況になると思います。ロシアとの関係も改善する可能性があるし、逆に言えば、米中関係は厳しいものになっていくでしょう。私が注目しているのはアメリカとヨーロッパとの関係で、特に軍事的にはNATOとの関係です。地球温暖化対策をめぐるアメリカの冷淡な対応を考えると、SDGs体制が分裂してしまう可能性もあります。ヨーロッパ主導で進めてきた政策ですから、アメリカが背を向けるとなると、大きなブレーキが掛かるでしょう。
飯田)そうすると、経済の根幹が少し変化しますね。
須田)トランプ前大統領の口癖に「ドリル、ベイビー、ドリル(掘って掘って掘りまくれ)」という言葉があります。つまり、化石燃料への回帰が進んでいるようです。
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