裁判結果を大統領選後に延ばす狙いのトランプ陣営

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ジャーナリストの須田慎一郎が3月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米大統領選について解説した。

演説するトランプ前大統領(アメリカ・サウスカロライナ州ロックヒル)=2024年2月23日 EPA=時事 写真提供:時事通信

演説するトランプ前大統領(アメリカ・サウスカロライナ州ロックヒル)=2024年2月23日 EPA=時事 写真提供:時事通信

米大統領選、共和党の候補者指名争いでトランプ前大統領が8戦全勝

11月のアメリカ大統領選挙に向けた共和党の候補者指名争いで、ミシガン州の党州大会、ミズーリ州、アイダホ両州の党員集会が3月2日に行われ、いずれもトランプ前大統領が得票率1位で勝利を確実にした。トランプ氏は候補者指名争いで8戦全勝となった。

飯田)いよいよ3月5日、16の州や地域で予備選が行われるスーパーチューズデーを迎えます。

須田)予備選挙に関して言うと、まさにトランプ氏の圧勝で終わることは間違いないと思います。本選挙は「トランプ前大統領VSバイデン現大統領」という、2020年と同じ構図になるでしょう。しかし、このままスムーズにいくかと言うと、やはりトランプ氏の裁判が大きなネックになる可能性があります。トランプ前大統領が訴えられた裁判は複数あり、コロラド州の最高裁では2021年の米議会占拠事件に関与したとの理由で、トランプ氏の予備選への参加を認めない判断を下しました。ただ、これは連邦最高裁に持ち込まれています。

トランプ氏が裁判で1つでも有罪になれば、有権者のイメージを悪くし不利に

須田)アメリカ国内では「どこかの裁判で、もし有罪判決が出たらどうなるのか」と言われています。有罪判決が出れば、有権者へのイメージが悪くなるのではないかと。その辺りを意識した世論調査も行われていますが、有罪判決が出ていない状況のなかでは、トランプ前大統領がバイデン大統領をリードしているのです。しかし、有罪になったら逆転する可能性があります。

裁判所が判決を「選挙後に下す」という判断をする可能性もある

須田)大きな裁判でなくても、有罪となると本選にも大きく影響するでしょう。ただ、トランプ前大統領サイドは一連の裁判に関して、選挙後に判決が出るように動いています。これらは「トランプ前大統領に対するネガティブキャンペーンだ」というような捉え方をしていて、何とか判決をうしろ倒しにしようとしている。そうなると、本選挙においてもトランプ前大統領の勝利は確実になると思います。

飯田)判決を引き延ばせるものなのですか?

須田)いろいろな遅延戦術があるので引き延ばしは可能でしょうし、連邦最高裁がどんな判断を下すのかも問われています。とは言っても、「裁判所の判断が民主主義の根幹である選挙に対して影響を及ぼしてはいけない」という意識がベースにありますから、政治的な意図に基づいて先延ばしをするのではなく、合理的な判断が下される可能性もあると思います。

飯田)裁判所は粛々と動く。三権分立をつくった国ですものね。

須田)例えば有罪になると、変な影響を選挙に及ぼしかねないので、選挙後に判決が出る可能性もあると思います。

飯田)共和党は、いまのところニッキー・ヘイリーさんも粘っていますが、裁判の結果に希望を持っているのでしょうか?

須田)万が一、連邦最高裁が「(トランプ氏は)大統領選挙に出馬する資格なし」と判断したら、一気にニッキー・ヘイリー氏が有利になるので、それに備えているのかなと思います。

飯田)ヘイリー氏の有力な支援者が支援を停止したという話もありました。お金がどのくらい持つかも影響しますか?

須田)一部の党員集会では、結果的にニッキー・ヘイリー氏が参戦していなかったケースもあります。そういう形で、選挙戦を何とかつないでいくのだと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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