第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が3月6日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。日経平均株価が4日、4万円を初めて突破したことに触れ、今後の株価の行方について「アメリカの半導体メーカー『エヌビディア』の決算次第だ。年末には4万2000円~4万3000円台と見ている」と予想した。
永濱)アメリカの半導体メーカー「エヌビディア」が、まさに今回の日経平均株価4万円突破の原動力になりました。今、世界的な生成AI(人工知能)ブームで、その半導体を一手に担って、一人勝ちしている企業です。これまでの半導体は計算するだけだったのですが、新しい生成AIの半導体は自分で学習します。対話型AI「チャットGPT」が分かりやすい例で、生成AIは産業構造を変えるともいわれていますが、生成AIの半導体は今、エヌビディアしか作れません。
辛坊)それで、エヌビディアの株価がものすごく上がっているわけですね。
永濱)そうです。実は日本でも半導体の製造装置や部材、素材に関連する産業の世界シェアは高いです。そういったところが恩恵を受けており、日経平均株価が4万円を超える状況になっています。そのエヌビディアの決算が5月にあります。
辛坊)5月に出てくる決算の良し悪しは予想がつかないのですか。
永濱)全く予想がつかないです。日本株相場は、5月に出るエヌビディアの決算次第でしょう。ただ、さすがに短期で上がり過ぎているので、春先に若干スピード調整があるのではないかという感じがしています。一方で、中長期的に考えると株価はどの国でも基本的には上昇トレンドですから、今の日本株は割高ではないため4万円超は単なる通過点になっていくと思います。
辛坊)ずばり、年末の株価予想は?
永濱)年末には4万2000円~4万3000円台と見ています。
辛坊)意外に慎重ですね。
永濱)さすがにこのペースでガンガン上がり続けることはないでしょう。春先に一度、軽くスピード調整して、今年後半に欧米が実際に利下げのサイクルに入ったら、またそれが押し上げになっていくかなと見ています。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)