『陰陽師0』 山﨑賢人主演、新たな安倍晴明像を作り上げる!
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【八雲ふみね:Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1174回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、現在映画館にて公開中の『陰陽師0』と『霧の淵』をご紹介します。
映画館で観たい!:『陰陽師0』平安京のヒーロー、令和の世に見参!
平安時代に実在した呪術師、安倍晴明。
雅楽師としても名を馳せた、源博雅。
2人がバディを組み、京の都に蔓延る魑魅魍魎に挑んでいく姿を描いた夢枕獏による小説「陰陽師」シリーズは、これまでにも何度も映画・ドラマ化されてきました。
そんな平安京のヒーローの新たな物語が誕生。『陰陽師0』は、安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代に焦点を当てたオリジナルストーリー。生誕1100年を超えて、今もなお語り継がれる歴史が紐解かれます。
『陰陽師0』のあらすじ
時は平安。天皇を中心とした国家形成の中で政治の中心を司るのは、呪いや祟りから都を守る陰陽師だった。彼らは、官職や陰陽師を育成する“陰陽寮”に所属。学生(がくしょう)と呼ばれる見習いたちは、より高い地位を目指し、一人前の陰陽師になるために切磋琢磨していた。
しかし学生の立場でありながら“呪術の天才”と呼ばれていた安倍晴明は、陰陽師にはまるで興味を示さず、授業はサボってばかり。周囲からも距離を置かれる“変わり者”として知られていた。
ある日、貴族の源博雅が安倍晴明の元を訪れる。従姉妹で元伊勢の斎宮である徽子女王の身に起こる怪奇現象を解決してほしいと言うのだ。衝突しながらも、事件の真相を追う晴明と博雅。ある学生が変死したことから、平安京をも揺るがす陰謀に巻き込まれていくが……。
『陰陽師0』のみどころ
若き日の安倍晴明を演じたのは、山﨑賢人。常に冷静沈着で、人嫌いな陰陽寮の学生を、強さとしなやかさをもって体現。まったく新しい安倍晴明像を作り上げました。
また安倍晴明の相棒となる源博雅役には、染谷将太。文武に長け、誠実で純粋な“愛されキャラ”。
安倍晴明と源博雅が悪態をつきながら酒を酌み交わす、という原作ファンにはおなじみのシーンも盛り込まれており、2人がどんなバディぶりをみせるかも本作の見どころのひとつです。
共演には徽子女王役の奈緒をはじめ、安藤政信、村上虹郎、板垣李光人、國村隼、北村一輝、小林薫など、若手からベテランまで個性的な俳優が勢揃い。脚本も務めた佐藤嗣麻子監督が思い描いた『陰陽師』の世界観が、色鮮やかに映し出されます。
知られざる陰陽寮の内情、源博雅と徽子女王の身分違いの恋。華やかな平安絵巻としても楽しめる本作において特筆したいのが、呪術アクション。
数々の出演作で体を張ったアクションシーンに挑戦してきた山﨑賢人ですが、これまで観客を魅了してきたアクションを“剛”と例えるならば、今作でみせる動きは“雅”といったところでしょうか。“狐の子”と呼ばれる人間離れした安倍晴明の所作を再現するため、フィギュアスケーター羽生結弦氏の演技からインスピレーションを受けて作られたアクションは“舞”を連想させるようで、実に優美。必見です。
史上最強の呪術師・安倍晴明は、いかにして生まれたのか。
この壮大な世界に是非、触れてみて。
コチラも映画館で観たい!:『霧の淵』日本の原風景を丁寧に紡いだ秀作
奈良県南東部に位置する、静かな集落。過疎化が進む村で老舗旅館を営む家族の姿を描いた『霧の淵』。注目の若手クリエイター村瀬大智の長編商業デビュー作となります。
本作の舞台となった奈良県川上村は、500年以上続く「吉野杉」の産地として知られる“日本の原風景”とも呼ぶべき場所。そんな歴史ある村に暮らす人々の日常、山や川。そして、霧。映し出されるすべてが、神々しいまでに美しい。主人公イヒカをはじめとする人々の想いだけでなく、木々の匂いや頬をなでる風までも感じられる珠玉の一作です。
<作品情報>
陰陽師0
2023年4月19日(金)から全国ロードショー
出演:山﨑賢人、染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎、板垣李光人、國村隼 / 北村一輝、小林薫
原作:夢枕獏「陰陽師」シリーズ(文藝春秋)
脚本・監督:佐藤嗣麻子
音楽:佐藤直紀
主題歌:BUMP OF CHICKEN「邂逅」(TOY'S FACTORY)
呪術監修:加門七海
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会
公式サイト https://wwws.warnerbros.co.jp/onmyoji0/
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霧の淵
2024年4月9日(金)からユーロスペースにて先行公開中
4月19日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
出演:三宅朱莉、三浦誠己、堀田眞三、水川あさみ
監督・脚本:村瀬大智
エグゼクティブ・プロデューサー:河瀬直美
プロデューサー:吉岡フローレス亜衣子
撮影:百々武
録音:森英司
照明:藤江立
美術:塩川節子
助監督:福嶋賢治
制作担当:濱本敏治
衣装:山上順子
ヘアメイク:南辻光宏、中野泰子
編集:唯野浩平
音楽:梅村和文
撮影助手:田安仁
照明助手:楠 哲也、八十川和博
録音助手:増田岳彦
美術助手:岡本まりの
監督助手:石井千秋
制作主任: 藤原達昭
メイキング:川添ビラール
スチル:槌谷綾二
製作:なら国際映画祭
助成:奈良県 川上村 奈良市
配給:ナカチカピクチャーズ
公式サイト https://kiri-no-fuchi.com/
(C)2023“霧の淵”Nara International Film Festival
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連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/